47.2 薫の作戦
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
一周忌が終わって、薫が宇治に通って来ても大君は会おうともしないの。薫の結婚相手には中の君がいいって大君は思っていて、中の君にもそれとなく結婚話をするの。でも中の君は大君と薫が付き合っていると思っているし、自分は結婚しないで宇治で暮らしていくって決めているから薫との結婚話は納得できないのよね。
そっけない大君の態度に薫は弁の君(出生のヒミツを離してくれた女房)に協力してもらって姫君の寝室に案内してもらうことにするの。大君と中の君は一緒の部屋なんだけどね。でも人の気配に気づいた大君が寝室から逃げ出しちゃうの。そのあとで寝室に侵入した薫は中の君と対面することになっちゃうの。かといって「あなたじゃないです。間違えました」というワケにもいかなくてそのまま話をして夜を過ごすことになるの。
中の君は大君が話してた結婚話はこのことだったんだわ、お姉さまが仕組んだことだったのね、と傷つくの。薫も僕は大君にこんなに嫌われてんの? って落ち込んで弁の君に愚痴って帰って行ったの。
つれなくされても、どうしても大君のことが諦められない薫なのね。手紙や和歌を送りながら悶々としているみたい。だったら先に匂宮と中の君を結婚させてしまえば大君も自分と結婚してくれるんじゃないかって考え始めるの。
「今度宇治に行くときは絶対にオレも連れてけよ。ひとりでフライングすんなよ?」
匂宮は薫にそう伝えるの。
「キミは惚れっぽいからね。中の君が傷ついたら可哀想だからね」
まるで中の君の保護者みたいな薫なの。
「見てろよ。これは本気の恋なんだぜ?」
匂宮が真面目にこう言うの。そうして薫も匂宮を宇治に連れて行く作戦を考え始めるの。
宇治までコソコソ通っているのがお母さんの明石中宮にバレないように匂宮は薫と一緒にこっそり都を抜け出すの。山荘に到着してもまずは薫だけがお屋敷に入って、弁の君に「大君に話がある。そのあとで中の君のところに案内してほしい」って取次を頼むのね。
大君は薫が中の君との結婚のことを承諾してくれたと思って薫と対面するの。でも薫は中の君と結婚するつもりなんてなくてまた大君のことを口説くのね。そのころ隠れていた匂宮が薫のふりをして弁の君に中の君のところまで案内させて、彼女の寝室に侵入するの。
To be continued ✈✈✈
◇「えっ? 匂宮くんが中の君ちゃんのところに侵入しちゃうの? 中の君ちゃん知らないよね?」
大君は薫と中の君を結婚させようとしていますし、薫と匂宮は匂宮と中の君を結婚させようとしていますが、肝心の中の君はどちらの結婚も了承していません。
「また寝室侵入……。この時代、こればっかじゃん。自分の部屋で寝ているだけなのに突然男子に襲われるってやめてほしいわ」
確かに何人かの登場人物が「これから会いに行きます」という歌や手紙もなく、いきなり部屋に侵入され同意もなく身体の関係を結ばれてしまっています。
「中の君ちゃん……」
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47.3 匂宮の電撃婚
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