33.3 8年ごしの初対面
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
明石の姫君の入内(お嫁入り)の日程が決まったの。その姫君のために紫の上と上賀茂神社にお参りに出かけることになったの。
その日はちょうど葵祭の日でお参りの帰りに見物をすることにするの。お祭りには源氏の家臣の惟光の娘の
紫の上は明石の姫君の入内に付き添ってあげたいけれど、これを機会に実の母の明石の御方にその役目を譲ってあげようと思い立つの。そのことを源氏に話すと源氏も素晴らしい決断だと紫の上を称えて、それから明石の御方にも話してあげるの。ただ実の母とは明かさず表立っては明石の姫君にお付きする女房という立場でなんだけど、明石の御方はとっても喜んだのよ。
明石の姫君が入内の日を迎えて宮中に上がったの。紫の上も最初はついていって、あとから明石の御方もやってきたの。
入内の式も華やかに行われたの。紫の上はとても美しく育った姫君を愛おしく眺めてたの。
紫の上が宮中を退出する前に初めて明石の御方と会うことになったの。初対面だけれど今まで明石の姫君を通じて繋がっていたからこれからは仲良くしましょうと語り合うの。
紫の上は明石の御方の話し方などから源氏が惹かれるのもわかるわ、と思ったんですって。
明石の御方も紫の上は気高い貴婦人だったので、源氏から一番愛されているのがよくわかったみたい。
綺麗に成長した実の娘に会えて明石の御方はうれし涙を流したのよね。
完璧に教養も身に着けていて、父親は絶大な勢力のある源氏で、容姿も美しい明石の姫君(これからは明石女御)は東宮さまからもとっても愛されるの。
明石の御方も出しゃばらず桐壺(明石女御の部屋)を取り仕切ったんですって。紫の上もときどき出かけてきては明石の御方との友情を深めていったみたいよ。
To be continued ✈✈✈
◇明石の御方が姫と一緒に都に来てから約8年。六条院では春の御殿と冬の御殿に住んでいても会ったことがなかった紫の上と明石の御方。
「どんな人か気になるよね。でも会うのドキドキだっただろうね――」
ようやくのご対面でした。
「でもさ、こんなに素晴らしい人だからオットも落ちるわね、なんて思うかなぁ」
ちょっと現代の感覚ではわかりませんね。
それから籐典侍ちゃん。そうなんです。実はお付き合いしていたみたいですね。
「ちょっと、夕霧くん! ええええ! 雲居の雁ちゃん一途じゃなかったの!!」
内大臣の娘の雲居の雁と源氏の侍従(惟光)の娘の藤典侍では格が違います。それでも見捨てずに側室にしたあたりが夕霧の誠実さなのかもしれません。当時としてはね。
「そりゃあさぁ、源氏には山ほど奥さんもカノジョもいるけどさぁ。夕霧くんは雁ちゃん一途でいてほしかったなぁ」
源氏が勧める縁談には目もくれず初恋の姫君を想い続けました。少し身分の低いガールフレンドがいたってことかな。このあと藤典侍は夕霧の側室になります。
「うぅぅぅぅぅん。藤典侍ちゃんにとっては遊びでなくて結婚できてよかった? のかな。うぅぅぅぅん」
悩めるこまちちゃんですね。
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33.4 人生の春
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