【朝読】 1000文字源氏物語♬

episode31 翻弄された運命の行先 真木柱

31.1 大事件！ 玉鬘の結婚

🌟真木柱（まきのはしら）ざっくりあらすじ

　宮中に出仕する予定だった玉鬘でしたが、思い詰めた髭黒大将が忍び込み関係を結んでしまいます。養父の源氏も実の父の内大臣も驚きますが、髭黒との結婚を認め、玉鬘は大将夫人となります。

【超訳】真木柱（まきのはしら）　玉鬘十帖

源氏　３７～３８歳　紫の上　２９～３０歳

玉鬘　２３～２４歳　冷泉帝　１９～２０歳

夕霧　１６～１７歳　髭黒　３２～３３歳

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

　玉鬘に晴天の霹靂ともいうべき事件が起きてしまったの。尚侍（ないしのかみ）として宮仕えに上がる予定の玉鬘のところに、どうしても玉鬘をあきらめきれない髭黒の大将が忍び込んできてしまったの。髭黒の味方をした玉鬘の女房がいたみたいね。夜中に無理矢理寝室に侵入してきてそのまま結ばれてしまうの。

　知らせを聞いた源氏はもちろん面白くなく残念に思うんだけど、済んでしまったことは仕方がないと髭黒との結婚を認めることにして婚礼の儀式を行うの。蛍兵部卿宮や冷泉帝もとっても残念がるの。帝は「色恋がらみじゃなくて仕事としてでいいから宮中に来てくれないか」なんて言うくらい未練たっぷりなんですって。

　けれども玉鬘の実の父の内大臣は、自分の娘が冷泉帝のお妃さま（新弘徽殿女御）なので娘同士が宮中で寵愛争いをしないですむことになって髭黒との結婚にほっとしたんですって。

　髭黒は今まで恋愛問題も起こしたことのないマジメな人だったんだけれど、美しすぎる玉鬘と結婚できたので柄にもないオシャレをしていそいそと六条院に通っているみたい。

　玉鬘はものすごく落ち込んでいるの。自分から望んだ結婚でないことは誰の目にもわかっていることだけれど、この結婚のこと（無理矢理襲われてしまったこと）を源氏にどう思われるかと思うとツラくて苦しかったみたい。

　玉鬘と源氏の仲を疑っている人は大勢いたんだけど、この結婚でそのウワサがデマだった証明がされたことになるのね。源氏は紫の上に「キミも疑ってたよね？」と茶化すの。添い寝だけで何もしなかった安全で愚かなオトコだったんだよって打ち明けたんですって。

To be continued ✈✈✈

◇現代なら大事件です。尚侍として宮中に上がるはずだった玉鬘は髭黒の大将に突然部屋に押し入られ襲われてしまいました。そしてその髭黒の大将と結婚することになりました。

「え……、ちょっとよくわからないんだけど」

「ひどいよ。刑事事件じゃん！」

「宮中にいくはずだったのに、源氏も怒らないの？」

　この時代は「（髭黒が彼女の部屋に侵入するなんて）そんなに思い詰めてたんだな。彼女のことを深く愛しているんだな」ととらえられるようです。

「じょっ！　冗談じゃないよっ！！」

　それに髭黒は内大臣にも玉鬘との結婚を申し込みに行っていて、断られてはいなかったようなのです。

「玉鬘ちゃんの意思は？　ひどすぎるじゃん！！」

　体の関係を結ぶことを同意もしていないのにその相手と結婚することになってしまった玉鬘。女性の気持ちなど思いやってもらえません。

「突然部屋に押し入られてひどい目にあって、その人と結婚なんて考えられない」

「ひどすぎる！！」

　こまちちゃんの怒りは当然です。

　これは物語（フィクション）のエピソードですが、現実（リアル）でもこんなことが起きていたのでしょうか。女性にとっては酷すぎます。

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31.2　源氏の無念と玉鬘の涙

☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

このエピソードについて作者さんも嘆いています。

topics21　理解不能の展開、唖然の結末

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885452448

ひどすぎる。

玉鬘ちゃん、可哀想。