25.2 花散里は癒しの里
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
恋人のような振舞いをするかと思えば、他の男を焚きつけるようなことをする源氏に玉鬘は惑わされて戸惑うばかりだったのよね。
仮に実のお父さんの内大臣に娘と認めてもらっているなら、源氏と恋仲になるのもあり得るかもしれないけれど、今現在は源氏が父(養父)で自分は娘(養女)でありながら恋愛関係にあるなんて世間に知れたらどうしよう、って悩んでいるの。
一方の源氏も玉鬘が恐れているような見苦しい関係にしようとは思ってないみたい。ただ玉鬘のことは恋しいと思ってはいて、はたから見ると疑わしいような振舞いもするのよね。でも娘がわりの玉鬘を恋人にしようとはしないで、美しい気持ちだけで彼女を愛そうと自分を自制していたみたいね。
5月の端午の節句に花散里と夕霧が住む夏の町で弓の技を競う催しが行われたの。普段は静かな夏の町だったけれど、この日はとっても賑やかで晴れやかな催し物で見物している女房たちの衣装も美しいの。花散里も夕霧の母親気分で純粋に楽しんでいるみたいね。源氏と花散里は今日の催しに来ていた人たちの話をするの。
「兵部卿宮さまったらあなたより年下なのに老けちゃってるみたい」
源氏はその意見が当たっていると思いながらも微笑んだだけで否定も肯定もしないの。でも花散里は玉鬘に求婚してきている髭黒右大将のことを褒めたからそれは面白くなかったみたいね。
久しぶりに源氏は花散里のところに泊まるんだけど、花散里はもう若くないので別々に寝ましょって言ったみたい。長い付き合いなのに今でも多くを望まず、控えめで優しい花散里にやっぱり源氏は癒されるのね。
「六条院でも目立たないわたしのことを気にかけてくださってどうもありがとう」
花散里がそんな風に和歌を詠みながら御礼を言うから源氏もぐっとくるのよね。
「いつだって一緒にいるよ。キミと別れたりなんかできないよ」
気持ちで結ばれているふたりのようね。
梅雨に入り、六条院では女君が女房達と物語を読みあいながら盛り上がっているの。源氏もときどきそんな女子トークに参加しながらも玉鬘に言い寄ったりしているの。
紫の上も明石の姫君に物語を読み聞かせしてあげているの。姫君が昼寝をしている間に源氏がやってきて、恋愛描写が多かったり、継母が子供をいじめる話なんかは姫君にふさわしくないからとあれこれ指図をするのね。
自分のことを棚にあげてこんなことを話している源氏を玉鬘が聞いたとしたらどう思うのかしらね?
To be continued ✈✈✈
◇源氏が少年のときに出逢った花散里。おそらく一番長い期間源氏と共に生きた女性です。とても控えめでいつも穏やかな花散里。源氏からの信頼度は抜群で夕霧や玉鬘の母親代わりをお願いされています。
「源氏の
「『多くを求めないけれど多くの幸せを手にする』っていいね」
彼女は源氏を始め周りの人に多くの幸せを与えていますね。『情けは人の為ならず』を体現しているような花散里です。
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25.3 一途な夕霧
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語のご案内
花散里さんトピックスだよ。見に来てね!
topics18 心のオアシス エバーグリーンな彼女
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885525035
うん、華やかに咲く花もいいけれど、
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