21.4 その後の夕霧
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
そのころ夕霧は失恋の悲しみで何にも興味が持てなかったの。彼は大学生で落ち着いたイケメンだったから若い女房たちから人気なの。夕霧はお祭りの準備の最中にその舞姫の顔を見たの。雲居の雁と同じくらいの年のキレイな女の子なのね。普段は六位の浅葱色の服がイヤで御所にもあまり行かない夕霧だけれど、お祭りのときは好きな色の
五節の舞姫が御所に参内する儀式はとても立派で、中でも惟光の娘がイチバン美しいの。夕霧は恋しい雲居の雁とは会えないので、かわりに彼女と付き合えたらいいな、なんて思ったみたい。惟光は娘を
夕霧は彼女に手紙を送ってみるの。お父さんの惟光もこの手紙のことを知るんだけど、好意的なのね。娘を宮仕えに出そうと思っていたんだけど、夕霧はマジメだから夕霧の妻もアリかもしれないな、なんて考えていたの。これで俺も明石の入道になれるかなって(娘の産んだ子供が出世する)妄想までしたみたいよ。
雲居の雁とは会えず、気になった五節の舞姫は宮仕えに行ってしまうし、夕霧の想いはどちらにも報われなかったみたいね。
源氏は夕霧と同じ二条院の東の院に住んでいる花散里に母親代わりをお願いするの。花散里はとても素直な性格なので夕霧を可愛がって優しくお世話をしてあげたみたいね。夕霧は花散里の顔を見ることもあったんだけど、はっきり言って美人さんではなくてお父さんの源氏とは釣り合わないなぁって思っちゃうの。それでもこんな優しい人と夫婦でいられることは幸せなんだろうなぁとも思うのよね。
年が明けて、冷泉帝は朱雀院のところへ
夕霧は勉強を頑張って従五位に昇進するの。雲居の雁のことを片時も忘れないんだけど、内大臣の反対を押し切ってまで無理に逢いに行こうとはしなかったの。こっそり手紙のやりとりだけする苦しい恋をしていたのよ。
To be continued ✈✈✈
◇この頃夕霧は12歳から14歳。今なら中学生ですね。大好きな女の子と離ればなれになってしまい、ときどきこっそり手紙をやりとりすることしかできません。官位(身分)をあげるために勉強も頑張らないといけない。
「夕霧くん、えらいっ! 自力で頑張るんだね」
そんなときにちらっと見かけた可愛い女の子。
「雲居の雁ちゃんくらいの年かな――。雲居の雁ちゃんを思い出しちゃうな――。この子も可愛いなぁ」
男子中学生ならこんな風に思ってしまいますね。
「そっか、夕霧くん男子中学生かぁ。おっきくなったねぇ」
やっぱり親目線のこまちちゃんですねぇ。
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21.5 夢のマイホーム! 大豪邸六条院
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