51.2 匂宮の大胆行動

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

 匂宮は薫の部下に薫と鉢合わせしない日に宇治に連れて行くように命令するの。薫は仲の良い友人で中の君と結婚できるきっかけを作ってもらった恩人なのに、今はその薫を裏切るために宇治に向かっているんだな、って匂宮は少し罪の意識を感じるみたい。夜に到着して屋敷の陰から覗き見するとやっぱりあの時の姫だったの。


 みんなが寝静まったころに匂宮は薫の声マネをして屋敷に入っていくの。来る途中でトラブルに遭ってひどい恰好だから灯りはつけないように、なんて女房をダマして浮舟の部屋まで行ってしまうの。浮舟はもちろん薫じゃないって気づくんだけれど、力ずくで匂宮の思うようにされてしまうの。浮舟は相手が匂宮だってわかると中の君に申し訳なくて泣いてしまうの。匂宮もこれから簡単には逢いに来られないだろうって泣くんですって。


 朝になり、薫だと思っていた人が実は匂宮だってわかった女房はビックリ仰天。おまけに匂宮は浮舟に夢中で帰ろうとしないの。右近という名前の女房は他の女房たちは薫が来たと思っているから、匂宮の存在を知られないように浮舟は物忌みだと嘘をついて誰も近づけないで匿うことにするの。それに実は今日は浮舟はお寺参りにでかける日だったんだけれど、その予定もキャンセルすることになっちゃったわね。

「観音様、どうか今日を無事にクリアさせてくださいませ」

 ひとりパニックの女房の右近は手を合わせて拝むの。


「一緒にいられないなら死んでしまいそうだ」

 そんな風に感情をむき出しにして愛を告げて来る匂宮がいつも冷静沈着な薫と違って浮舟には新鮮なのよね。

 けれどもこの匂宮とのことがバレてしまったらお世話になっている中の君さまお姉さんがどんなに不快に思われるかと思うと浮舟は落ち込むの。

「ね、ところでキミはどこの誰なの?」

 浮舟の素性を知らない匂宮が尋ねるんだけど、浮舟は中の君奥さまの異母妹だから頑として言おうとしないの。他の話には愛らしく受け答えをする浮舟に匂宮はめちゃめちゃカワイイと惚れこんでしまうの。






To be continued ✈✈✈





◇「ねぇ、これまた勝手に寝室に入って襲っちゃったパターンじゃん」

「しかも薫くんのフリしてって、なんていうか悪いことする気満々っていうか……」

 薫が通ってきた風を装って浮舟の寝室に入り込み一線を越えてしまいました。


「もうこの時代こんなのばっかじゃん。しかも匂宮からしたら友人の恋人で奥さんの妹でしょ?」

「なぁにが一緒にいられないなら死んでしまう、よ!」


 こまちちゃんのこぶしがわなわなと震えています。


 板、持ってきておいたほうがよさそうですね。





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51.3 横恋慕

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