39.2 気まずい夜明け
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
女二宮は困ってしまうんだけど、自分ひとり別の部屋にいくわけにもいかずおろおろするの。するとちょうど女房が女二宮のところへ行こうと御簾をあげたスキに夕霧も一緒に御簾の中に入ってしまうの。女二宮は怖くなって別の部屋に逃げようとするんだけど、
「こんなふすま一枚で僕の恋心を防ごうとするの?」
そんなことは言いながらも夕霧は無理矢理に一線を越えようとはしないのね。女二宮は気品があって薫香の匂いも素敵で可憐な人だったの。夕霧はすっかり盛り上がっちゃうの。
「あなたの許しなくこれ以上のことはしないから」
「何年も通っていて僕が安全な男だってわかっているでしょ?」
でもあまりに女二宮が打ち解けてくれないので、
「あんまり頑ななら僕も行動に移すかもしれないよ。あなただってバツイチなんだからこんなとき男がどうしたいのか知ってるでしょ?」
なんて夕霧は言うのよ。
「未亡人だからってそんな言われ方をしなきゃいけないの?」
怒ってしまった女二宮に謝りながらも夕霧は彼女を抱き寄せて月の見えるとこまで連れていくの。
「もう僕でいいでしょ。僕にまかせてよ」
絶対にムリなことはしないからって言っているうちに夜が明けていったのよ。
女二宮にしてみれば正式な結婚だった柏木にもそんなには愛されず幸せな結婚生活ではなかったのに、こんな成り行きで夕霧の愛人のようになりたくはなかったのね。それに夕霧は柏木の妹(雲居の雁)の夫だから柏木たちのお父さんの前大臣にきっと悪く思われるって恐れているのね。
「こんな霧の中を追い返してうまくいったなんて思わないでよね」
「わたしが悪いみたいに言うのね」
そんな言葉のやりとりをするの。
今までの亡き夫の親切な友人ポジションから急に恋人立候補したはいいけれどうまくいかず、これからどうしたもんだ? と悩みながら夕霧は帰って行ったみたいね。
To be continued ✈✈✈
◇一線は超えなかったものの夕霧と女二宮は一緒に夜を過ごしました。初めて女二宮に近づいた夕霧は彼女の気品に惚れ惚れします。焚き染めている薫香の香りも彼女のセンスを表していて「うわ、メッチャ素敵な女性じゃん!」と盛り上がっているのかもしれません。
「はぁぁぁぁぁ」
髭黒や柏木のように無理矢理関係を結ぶことはしなかったようです。
「でももう完全に気持ちは亡くなった旦那さんの友達ポジションじゃないじゃん」
「恋人に立候補しちゃったってことでしょ?」
「なんかなぁ……」
夕霧と雲居の雁の幼なじみ初恋婚の応援団長でしたものね。こまちちゃん。
「はぁぁぁぁぁ」
源氏の恋のあれやこれやのリアクションは威勢が良かったこまちちゃんですが、今回はため息ばかりですね。
「まさかね、夕霧くんがね……」
恋はするものじゃなくて落ちるものなんて言いますよ?
「はぁぁぁぁぁ」
「純情初恋婚ロードにも落ちるとこあったんだ……」
NEXT↓
39.3 一条御息所の誤解と怒り
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語のご案内
今回のふたりのトピックスだよ。よかったら読んでみてね。はぁぁぁぁぁ。
topics32 恋愛下手VS恋愛恐怖症?
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885625387
夕霧くん……。
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