36.3 消えゆく柏木

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 女三宮が出家したって聞いた柏木は絶望してますます衰えていくの。それから遺していく妻の女二宮の心配をして、周りの人たちに女二宮さまを頼むとお願いし始めるの。

 帝も柏木を心配して、権大納言に昇進させるの。それを励みに元気になってほしかったみたいね。けれどももう宮中に上がる出勤することもできなさそう。


 夕霧は昇進のお祝いとお見舞いに柏木を訪ねるの。どうしても会いたい柏木は病室に夕霧を招くの。少年時代から仲良くしてきた親友同士だったから夕霧の悲しみも親兄弟とかわらないくらいなの。

 柏木は源氏の怒りを買ってしまって心乱れて病気になってしまったと夕霧に打ち明けるの。今も許してもらえていないからいいタイミングで源氏にとりなしてほしいと夕霧に頼むのね。「柏木が源氏の怒りを買うこと」で夕霧は心当たりがあったけれど確証は持てないのよね。(はっきりとは聞いてないから)


「キミのカンチガイじゃないの? 父さんはキミの病気を心配しているよ?」

「それにだったらなんでもっと早く言ってくれなかったんだよ」

 夕霧はそう言うの。

「そうだね。だけど僕だってこんなに短い命だなんて思わなかったんだよ」

 それから女二宮のことも気にかけてやってほしいって柏木は夕霧に言い残すの。


 まだ話したいことがあったみたいだけれど柏木は急に苦しみだしてしまい夕霧に帰るよう言うの。祈祷する僧侶や両親も駆けつけてきたので、夕霧は泣く泣く柏木の病室を離れたの。


 そのまま柏木は泡が消えるように亡くなってしまうの。妻の女二宮はそんなに愛されはしなかったけれども悲しみに暮れるの。女二宮のお母さんの一条御息所はもともと結婚には反対していて、けれども請われて降嫁したのにその夫に先立たれてしまい口惜しいんですって。

 女三宮も柏木のせいで苦しめられたんだけれど、亡くなったことを聞くとさすがに胸を痛めたの。



To be continued ✈✈✈




◇柏木が亡くなってしまいました。

「源氏にバレちゃって急に具合が悪くなっちゃったんだよね。精神的に病んでしまったカンジなのかなぁ」


 確かに源氏に知られてしまったことで寝込んでしまいましたが、女三宮の出家というニュースでさらに絶望してしまいました。出家とはこの世での別れです。


「っていうかさ、もともと禁断の関係で両想いでもないじゃん」

 

 自分の子が男の子だということを知ることはできました。


「でも亡くなっちゃったのは辛い出来事だよね」


 誰も幸せになることのない「身を滅ぼした恋」でした……。




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36.4 父に似ることなかれ


☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

柏木トピックス読んでみてください。


topics29 言ってもせんのないことだけれど

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885625383

亡くなっちゃうのは悲しいことだよね。

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