36.2 女三宮の出家

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 もともと丈夫でない女三宮は出産の疲れと源氏からの精神的プレッシャーの上に柏木の危篤の知らせを聞いて、食事も摂らないで自分も死んでしまいたいって考えちゃうのよ。

 源氏は表面上は変に思われないように振舞うんだけど、薫の顔を見ようとしないの。女三宮はこの先自分だけでなく薫まで源氏に疎まれることを心配して出家を決意するの。

 源氏も柏木とのことを許せないし、産後の体調不良を理由に出家させるのはいいかもしれないと思うんだけど、やっぱりまだ若いから惜しいと女三宮を引き留めるの。蒼ざめた顔色で弱っている姿は頼りなく美しくて、どんな罪を犯したとしても許してしまいそうだなんて源氏は思うんですって。



「お会いできないまま死んでしまうかもしれません」

 すっかり弱り切った女三宮がそんなことを言っていると、お父さんの朱雀院は源氏経由で聞くの。そこで心配した朱雀院はお忍びで六条院にいらっしゃるの。来訪の手紙もなく突然のことに源氏も驚くのね。

「特に病気というわけではないのですが、具合がよくならないんです」

 そんな風に源氏は朱雀院に説明するのよ。

 対面を果たした女三宮は泣きながら尼になりたいと朱雀院にお願いするの。

 最高の夫だと信じて源氏に託したこの結婚は娘にとってそんなにツラいことだったのかと朱雀院は女三宮を出家させることにするの。今のタイミングなら産後の病状を出家の理由にできるから源氏との夫婦仲が悪くて出家したなんてことも思われずに済む、今後は妻としてでなくても源氏が女三宮の面倒を見てくれるだろうと朱雀院は考えたみたい。


 そうと決まってしまうと源氏は出家を考え直すように女三宮を説得するんだけれど、聞き入れてはもらえず、その日のうちに女三宮は朱雀院によって髪を下ろしたの。

 するとその夜六条御息所の物の怪が現れて、紫の上の命を取り損ねたからこっちに憑りついていたなんて言うのよ。源氏はゾッとするんだけど、女三宮の出家はもう取り返しのつかないことよね。



To be continued ✈✈✈



◇女三宮の出家はまたしても六条御息所の霊の仕業だったようです。


「紫ちゃんが死ななかったからって今度は女三宮に憑いてたってこと??」

 そのようですね。


「もうもうもう、怖すぎる! いつまで呪われるの??」


 愛する源氏を苦しめたいのか

 自分が源氏と結婚できなかったから源氏の妻を憎んでいるのか

 六条御息所の怨念はいつまでもこの世にくすぶっているのでしょうか。


 




NEXT↓

36.3 消えゆく柏木


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る