7.2 想う女性、妹のような存在、冷めた妻
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
藤壺の宮さまはお産のために実家に戻ったの。源氏はまた会いたいと思って実家まで行くんだけど、会ってはもらえなかったの。この恋は破滅を招くと悲しむのが宮さまで、今もまだ逢いたいと思い詰めているのが源氏の君よね。事情を知っている
源氏はそこで藤壺の宮のお兄さんで紫の君のお父さんでもある
源氏が自宅の二条院にどうやら女の人を住まわせているらしいってことはオフィシャルになりつつあったの。どこのお姫様ということは知られてないんだけど。みんなまだ紫の君がまだ子供だってことも知らないし、この時点では源氏と紫の君は結婚もしていなかったんだけどね。
紫の君は実のお兄さんのように源氏になついているの。どんどん可愛らしく成長していて、源氏も習字やお琴などを教えてあげているの。源氏が夜勤の日や他の女の人のところへ行っていて会えないときは寂しくて泣いてしまうくらいだったの。周りの女房が
「もう夫君がいらっしゃるのですから、子供みたいなお人形遊びはやめませんとね」
と言うと、
「夫って誰のこと?」
なんて聞いてくるカンジなの。夫なんて人はオジサンみたいな人のことだと思っていたのに、私の夫はあんなにカッコいいお兄さまなの? なんて思ったんですって。まだ10~11歳。恋もよくわからないのに、すでに結婚相手が決まっていたのよね。彼女の意思とは関係ないところでね。
お正月を迎え、正妻の葵の上のところに源氏は挨拶に行くんだけど、やっぱり上から目線で冷たい態度なのね、葵の上は。
「少しは温かく対応してくれてもいいんじゃないんですか?」
と源氏は言うけど、葵の上は源氏の二条院に女の人が住んでいることを知っていたのね。ただでさえ夫婦仲がうまくいっていないのに、そのウワサ。そりゃ今までもあっちこっちに愛人がいることは知っていたけど、自分の家に住まわせるなんて、そのうちその人を正室にしてしまうの? ってプライドを傷つけられていたの。
彼女は源氏より4歳年上なのをすごく気にしていたみたい。とても美しくてカンペキな女性だということは源氏もわかっているの。お父さんが左大臣でお母さんも皇族の出身だったからとても身分が高くて、いずれは春宮妃(皇太子妃)にと大事に育てられたのね。プライドもものすごく高かったの。けれど源氏だって帝の皇子で身分でいえば彼女以上だから、そんな源氏は
「私は特別なんです。そこらへんの女性と一緒にしないでください」
ってカンジでお高くとまっている葵の上に好感を持てなかったのね。
To be continued ✈✈✈
◇お腹の子は自分の子ではないかと確かめたい源氏ですが藤壺の宮さまは会ってくれません。想いはつのるばかりです。
紫の君は10歳。結婚はしていませんが、周りはこのまま源氏と結婚すると思っています。紫の君は源氏の事を優しいお兄ちゃんと思っています。
そして葵の上。結婚当時は16歳と12歳だったけれど、現時点では葵の上が23歳、源氏が19歳。もう以前ほどの年の差は感じないと思うのですが、なかなか打ち解けられません。恋に不器用な優等生さんです。
「藤壺の宮さまとは禁断の恋だからダメだし、紫ちゃんもまだ10歳だからダメでしょ。シンプルに葵の上さんと仲良くなればいいのに」
確かにそうね。葵の上は正室だものね。
「打ち解けてくれないなら源氏くんが口説けばいいじゃん。『ずっと前から好きだった』って。得意じゃん」
そういえばいつも同じような口説き文句?
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7.3 愛と罪の証
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