episode10 別れ、別れ、それから密会 賢木
10.1 六条御息所の決断
🌟
かつての恋人六条御息所とは別れ、彼女は伊勢へと旅立ちます。父親である桐壺院が亡くなり、源氏は政治的に中心から追いやられます。藤壺中宮は出家してしまい、現世での別れとなります。そんな中、帝のお妃である朧月夜との密会を続けていてそれが世間にバレてしまいます。
【超訳】
源氏 23~25歳 紫の上 15歳~17歳
藤壺中宮 28~30歳 六条御息所 30歳~32歳
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
六条御息所の娘が斎院(未婚の内親王が務める伊勢神宮の役職)のお務めのために伊勢に出発する日が近づいてくるんだけれど、六条御息所は情緒不安定なの。
正室の葵の上が亡くなったので、これで今度は六条御息所が源氏の正室になるだろうなんて噂が世間では広まったの。けれどそんな噂とはうらはらに源氏と御息所の仲は冷めていったの。葵の上に
御息所も意識的に自覚があるわけじゃないけど、見えるはずのない葵の上の姿が見えたり、そこで焚いているお香の匂いが自分の髪にも移っていたりするから、もしかして生霊になっちゃったんじゃないかって自分でも恐れてはいたのよね。
そこに「オレ、見てしまいましたよ。あなたを」なんて源氏から言われちゃったからそりゃあ恐ろしいわよね。とてもじゃないけど平気な顔をして付き合えないし、ましてや正室になんてなれないわよね。またふたりで逢っても、源氏は自分に対して冷めていて、自分の方が源氏を深く愛しているから取り乱しちゃうだろう、それだけはツラすぎるわって御息所は自分を押さえていたのね。
だからやっぱり源氏と別れて娘について伊勢に行ってしまおうと決めるの。
その出発間際に源氏が訪ねてくるの。
To be continued ✈✈✈
◇最初はそんなに興味はなく、源氏に押し切られる形で付き合っていたはずの六条御息所でしたが、いつの間にか源氏を愛するようになり、源氏はその愛を負担に感じるようになってしまいました。
六条御息所の源氏への愛はいつしか源氏の周りの人への嫉妬に変わっていきました。自分が葵の上を呪い殺してしまったらしい。しかもそのことを源氏が知っている。六条御息所は源氏との別れを決断したようですね。
「六条御息所さま、コワイね。でもさ、一夫多妻なんだから自分の他にも奥さんや恋人がいるのが当時は普通なんでしょ?」
そうですね。多妻の中でも自分がトップなら問題なかったのでしょうね。元春宮妃のわたくしが今は「一貴族の愛人」ということで「格が下がった」と自分も他人にも思われているのが許せないのかもしれません。
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10.2 別れの秋、涙の朝
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