42.3 匂う兵部卿 薫る中将

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

 匂宮は負けず嫌いだったから薫に負けないように服に香りを焚きしめてるの。庭の木も香りの強いものを揃えて香りへのこだわりがスゴイんですって。おじいちゃんの光源氏は何事にもこだわりすぎず、異様に執着することもなかったんだけれどもね。


 薫はよく匂宮の二条院に遊びに行っていて、お互い親友でライバル同士でもあるみたいなの。世間でも「匂う兵部卿」「薫る中将」ってウワサをしているのよ。だから娘がいる貴族たちはみんな彼らを、婿にしたいなぁって思っていていろいろとモーションをかけてくる人もいるみたい。


 匂宮はまだ結婚していなくて、けれども特別本命のコがいるわけでもなくて、いろいろな女の子と恋を楽しんでいるの。ただ冷泉院と弘徽殿女御の姫宮と結婚出来たらいいなぁとは思っていて女房経由でいろいろ調べているんですって。


 薫は色恋なんて出家の邪魔になるだけだ、なんて言っているの。テキトーに遊ぶ女の子はいなくもないけれど、結婚したいような本気の恋をするつもりはないみたい。


 夕霧は自分の娘をひとりは匂宮と、ひとりは薫と結婚させたいみたい。親戚同士だからあんまり大々的に婚活できないらしいんだけど、側室の藤典侍とうのないしのすけが産んだ六の君を女二宮(落ち葉の宮)に養育してもらって花嫁修業をさせようとするの。藤典侍より女二宮の方が身分が高いので養母になってもらうみたいね。

 でもそんな夕霧の思惑とは裏腹に匂宮は堅苦しい結婚をする気はまったくないみたいね。だから夕霧も弓の競技のイベントや宴会を開いて匂宮や薫の興味をひこうとしているの。



第四十二帖 匂兵部卿


To be continued ✈✈✈



◇『源氏物語』第四十二帖匂兵部卿が終わりました。

episode1 壮大なSTORY   桐壺

42.1 新しいかおり

42.2 宿命の子

42.3 匂う兵部卿 薫る中将


◇第二部で幼かった匂宮と薫が成人していますね。源氏が亡くなってからの人々の様子が語られています。源氏の孫の匂宮と表向き源氏の息子の薫、現在の宮中を賑わせているイケメンふたりの恋物語がここから始まります。


「もう夕霧くんの娘ちゃんが結婚する歳なんだねえ」

「そっか匂宮くんのお母さんは明石の中宮さまだもんね」

 夕霧や明石の姫君の生まれた時から知っていますものね。


「匂う兵部卿に薫る中将って素敵な呼び名だね」

 この時代は香をブレンドしてオリジナルの香を焚き染めていました。

香りが漂うと「あ、この香りはあの人」とわかったそうです。


 薫に匂宮、あたらしいふたりの香りがこれからの主役です。



NEXT↓

episode43 匂宮は梅がお好き   紅梅

43.1  紅梅ファミリーと匂宮



☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語です。見てみてね。


topics37 想定外、常識外と千年続くテッパン

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054886473935

今さらだけれど、紫式部さんって偉大だよね……。




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