32.2 源氏の恋愛講座?!

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 そのころ内大臣は雲居の雁のことで悩んでいたの。雲居の雁はすっかり大人になり、美しく成長しているの。でも、結婚適齢期を過ぎているんだけど、誰とも結婚していないの。夕霧が泣きついてくるかと内大臣は思っていたんだけど、そんな風でもなくて、こちら側から娘をもらってくれと頼みに行くのもムカつくし、世間体も悪いと気にするの。こんなことなら付き合ってるって知ったあのときに結婚を許しておけばよかったのかも、なんて今さら後悔してるのよね。


 そんな内大臣の様子を夕霧も知っているんだけど、夕霧にしてみればあのとき無理矢理引き離されたことは今でも悔しいから自分からは内大臣にお願いに行こうとはしないの。それに雲居の雁の乳母に低い身分だとバカにされたから、きちんと出世してから雲居の雁を迎えに行くと自分に誓っていたのね。


 いつまでたっても進展しない夕霧と雲居の雁だから源氏も心配しはじめて、他の人との結婚を勧めたりもするんだけど、夕霧はそれにも応じないのね。


 わけもなく独身でいるのもよくないし、運命の恋かどうかは知らないけれどあまり固執しすぎるとつまらない結婚をすることになるかもよ、と源氏は夕霧にお説教を始めるの。

 高望みしすぎても思い通りにはいかないし、かといって浮気心でマチガイを起こさないようにね。俺なんて不自由な宮中で育ったから少しの過ちでも周りに非難されてプレイボーイ扱いされちゃったからね、なんて話すのよね。

 身分が低いからといって奔放なことはするなよ、女性関係をたしなめてくれる妻がいなくて、オンナで失敗する賢い人は歴史上にも大勢いるからね。恋してはいけない人を好きになったりすると、相手も自分も一生の心の負担になるからね。

 不運な結婚をしたとしても、耐えて人道的に人を愛するように努めるとか、相手の両親を大切にすれば、将来大きな幸福を得ることになるよ。

 そんな風に夕霧に対して恋愛について諭したみたいね。


To be continued ✈✈✈



◇そんな息子の夕霧に源氏は恋愛について語ります。なにやら自分のことを棚に上げているような、もしくは自分のようにしろとでも言いたいようなご講義ですね。


「な――んか何言っちゃってるの? ってカンジがしない?」

 恋愛マスター光源氏のためになる恋愛講座、といったところでしょうか。


―― 禁断の恋の方が盛り上がる ――

―― ハードルがあってこそ恋の醍醐味 ――

―― 自分の気持ちの赴くままに動け ――

「源氏の恋愛講座ってこんなでしょ?」


 苦笑しながらも共感してしまいそうです。「こまちちゃんによる『源氏の恋愛』講座」ですね。


 真面目で一途な夕霧はそのままでいいと思うのですけれどね。

「そうだよ。夕霧くんは今のままの一途でいいと思うよ!!」

「源氏の恋愛講座に染まらないで!!」


 祈りにも似た願い?!



NEXT↓

32.3 逢えないふたり




☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

よかったら源氏エッセイも読んでみてね(^_-)-☆


☆topics22 恋愛講座? 源氏の結婚観??

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885436653


源氏おとーさんの恋愛講座、なんか笑える……。ぷぷっ!

わたしは夕霧くんを応援してる!!


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