14.4 明石の君とのニアピンと六条御息所の死

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 源氏は秋になって大阪の住吉大社にお参りに行くの。そうしたら偶然にも明石の君もお参りに来ていたんだけど、あまりの源氏の豪華な行列に圧倒されちゃうの。その行列には源氏の息子の夕霧(葵の上の産んだ子ね)もいるんだけど、同じ源氏の子どもなのに堂々と行列の中心にいる夕霧と自分の娘との境遇の差を感じてしまって明石の君は落ち込んじゃうの。

 家来の惟光が明石の君に気づいて源氏に知らせると、源氏はさっそく明石の君に歌を贈ったの。


 ~ みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな ~

命をかけたみをつくした証拠に澪標みをつくしのあるところで再会できた俺たちは深くつながってるんだね)


 明石の君も返事を出すの。


 ~ 数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初めけん ~

(あなたには大勢奥様や恋人がいらっしゃるのにどうしてこんなに好きになってしまったのかしら)


 次の日に明石の君はお参りをして明石に帰るの。源氏からはそろそろ京に迎えたいって手紙が届くの。明石の君は自分のことを想ってくれているのは嬉しいんだけど、京には奥様も恋人もたくさんいるのにそこでも変わらずにわたしは愛してもらえるのかしらってとっても不安がってたみたいね。



 帝が変わったので、伊勢の斎宮の役職も交代となって六条御息所と娘の斎宮(秋好あきこのむ)が京に戻ってきて、もとの六条のお屋敷で暮らしていたの。けれども御息所は病気になっていて出家しているの。

 いろいろあったけれど、急な出家に驚いた源氏は色恋うんぬんじゃなくて彼女のもとを訪ねることにするの。


 すっかり弱ってしまった御息所と再会すると、どれほどこの人を愛していたんだろうと源氏は涙を流すの。そんな源氏に御息所は自分の娘、秋好のことをよろしくとお願いするんだけど、「絶対手は出さないでね」と念を押すの。源氏はちらっと見えた秋好の姿にときめきそうになるんだけど、そこは御息所との約束を守るの。


 それから1週間後に六条御息所は亡くなられたの。お葬式も源氏が指示をして立派に執り行ったの。


 遺された秋好なんだけど、朱雀院からお妃に来ないかという話が前にもあったんですって。でも朱雀院には朧月夜がいるし、他にもお妃もいるところに今からお嫁入りするよりは、教育係的なお姉さんとしてまだ幼い冷泉帝にお嫁入りしてはどうかと冷泉帝のお母さんの女院(藤壺の宮)に源氏は相談したの。女院は源氏の意見に賛成するんだけど、自分のお兄さんで紫の上のお父さんでもある兵部卿宮ひょうぶのきょうのみやも自分の娘を冷泉帝の女御にしようと考えていて、源氏と兵部卿宮の仲がよくないことを心配しているの。

 権中納言(頭中将)の娘も冷泉帝に入内(お嫁入り)して新弘徽殿女御となったの。まだ冷泉帝は子供なんだけどそのお妃ナンバーワンの座を巡って大人たちの権力争いが始まっていたのね。



第十四帖 澪標


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

 ~ みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな ~

源氏大臣が明石の君に贈った歌


 ~ 数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初めけん ~

明石の君が源氏大臣に贈った歌



◇第十四帖澪標が終わりました。

episode14 命をかけて……   澪標

14.1 冷泉帝の即位

14.2 明石の姫君の誕生

14.3 紫の上の嫉妬

14.4 明石の君とのニアピンと六条御息所の死


 明石から京に戻ってからの源氏の様子ですね。以前より上の役職に就き政治的地位も復活させ、明石の姫君が産まれ、東宮さまが即位し、また新しい時代が始まる予感を感じさせる巻ですね。


「ったくさぁ、紫ちゃんを傷つけて許せないよ。それに明石の君だって「あの子とは遊びだからね」なんて話されてイヤだよね。おのれバカ源氏め、女子の敵」

 こまちちゃんの怒りがおさまりませんね。最近、成敗とか復讐とかぶつぶつつぶやいています。


「異世界トリップとかできないかな。透明人間になって源氏の後頭部をはたいてやりたい」

 異世界? そうね、平安時代にタイムトリップしても二次元キャラの源氏はいませんものね。こまちちゃん、どうする? 



NEXT↓

episode15 シンデレラストーリー?   蓬生

15.1 末摘花の没落

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