episode15 シンデレラストーリー?  蓬生

15.1 末摘花の没落

🌟蓬生よもぎうざっくりあらすじ

 第六帖 末摘花すえつむはなの続きです。美人ではないけれど源氏と付き合っていた末摘花は源氏が都を追われたあとも一途に源氏の帰りを待ちます。その源氏が京に戻ってきたあとも訪ねてきてくれず忘れられているのですが、ある夜偶然源氏は末摘花の屋敷の前を通りかかります。ずっと自分のことを想っていてくれていた末摘花のことを源氏も大事にしようと思い、自宅の二条院へと呼んであげました。



【超訳】蓬生よもぎう

源氏 28~29歳 紫の上 20歳~21歳


✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 源氏が都を追われて須磨で謹慎しているときは源氏の援助で暮らしていた人たちの生活は困窮してしまったの。なかでも宮家のお姫さまなんだけどご両親はもういらっしゃらなくて後ろ盾のない末摘花の暮らしはとっても貧乏なものだったの。

 もともと貧乏だったんだけど、源氏が通うようになって経済的援助をしてもらって一時だけ華やかな生活をしちゃったからもとの貧乏暮らしがいやになってしまう女房達も多くて、お屋敷を辞めていく人もいたんですって。

 庭も荒れて牛飼いがそこで牛の放牧までするので、女房たちはお屋敷の家財道具や庭の木などを売って現金化しましょうってアドバイスするんだけど、末摘花はお父さんの想い出の品を売るなんてとんでもないわと言うし、また源氏の君が通ってきてくださるから絶対にここを引っ越さないわって頑なだったの。泥棒ですら「ここから盗るものはない」って素通りするくらいすさんだお屋敷でちりの積もったインテリアに囲まれて彼女は暮らしているの。


 末摘花の乳母の娘の侍従(末摘花のお世話係)はずっとこの屋敷で働いていたの。そこへ受領ずりょう(今でいう県知事)の妻になった末摘花の叔母(末摘花のお母さんの妹)がムスメの女房にしたいから侍従を貸してくれと言ってくるの。末摘花のお母さんは自分は皇族と結婚したから、身分の高くない受領の奥さんになった叔母のことをバカにしていたんですって。だから叔母は今末摘花が皇族ではあるけれど貧乏な暮らしをしていることを笑っていたのよ。(受領は中流階級だけれどお金持ち)

 いっそのこと末摘花も自分の召使にしてやろうかと思って夫の赴任地の筑紫(福岡県)に一緒に行かないかって誘うんだけど、内気な末摘花はそんな遠くには怖くて行けませんと断るの。それがまた叔母さんにはムカついたみたいね。

「お高く気取っているけれど、あなたはもう源氏大将には捨てられたのよっ!」

 そんな風にヒドイことを言ったみたいね。



To be continued ✈✈✈


◇あの微笑ましい末摘花の姫君のお話です。第六帖【末摘花】(episode6 雪の朝の衝撃)の続きね。見た目も美しくなく、性格も引っ込み思案ですべてに不器用な姫君だけれど、源氏を想う気持ちだけは一途ですよね。


「末摘花さんだ――。久しぶりだね。源氏が来てくれないのにずっと待ってるんだね。末摘花ちゃん健気~」

 こちらの朝読では人気の末摘花のようですね。



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15.2 光る君の帰還

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