26.3 異色のお姫様?
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
さて、問題児の近江の君をどうしたもんかと内大臣は悩んでいたの。田舎に送り返してもウワサになるし、屋敷内に置いておいてもそれはそれでよくない評判が広がりそうなので、長女の新弘徽殿女御のそばに置いて女房たちにしつけなおしてもらおうと思いつくの。
女御さまの了承をとってから、内大臣は近江の君の部屋へ行くと
見た目は悪くないどころか内大臣にも似ているのに、態度が落ち着きがなくてやたら早口なんですって。本人が言うにはお産のときに祈祷した僧侶がよくなかったから早口になっちゃったと、その説明もいちいちおかしいので内大臣は苦笑するの。
ちょうど屋敷内に新弘徽殿女御が帰省してきているから、行儀見習いに行ってきなさいと内大臣が言うと、近江の君は大喜び。水汲みでもトイレ掃除でもなんでもやるわってやる気満々なんですって。
いつ行けばいいですか? と尋ねると内大臣はいつでもどうぞ、なんなら今日にでも、なんて投げやりに返事したの。盛り上がっている近江の君はすぐに女御さまに手紙と歌を送ったの。
「アタシ、最近このおウチに住んじゃっててぇ、会っちゃいけないのかなぁって、今まで遠慮しちゃってたワケなんだけどぉ、一応妹だからお姉さんに会いたいなぁって思っちゃったりしてるんですぅ」
手紙は裏にも続くの。
「今日ね、夜に会いたいなって思ったりなんかしてるんだけど、お姉さんはイヤ? もしかして引いちゃってる?」
「手紙とか字とか汚くてホントごめんね!」
~ 草若み
(若草みたいにビギナーなんだけど、常陸(茨城)の浦にある河内(大阪)のいかが崎ってカンジ? 一度会ってみたい田子の浦(静岡)の波なんです♡)
近江の君は張り切って手紙と和歌を書いたみたいね。
To be continued ✈✈✈
🖌Genji Waka Collection
~ 草若み
近江の君が異母姉の新弘徽殿女御に贈った歌 (もどき?)
◇新弘徽殿女御さまは源氏のお母さん(桐壺の更衣)をイジメた弘徽殿女御(弘徽殿大后・朱雀帝のお母さん)とは別人です。内大臣の娘で冷泉帝のお妃さまになり、後宮の弘徽殿というお部屋を賜っているので弘徽殿女御と呼ばれます。朱雀帝のお母さんの弘徽殿女御と区別するために「新」弘徽殿女御と書かれているようですね。
さて、近江の君。ハチャメチャな和歌を詠むキャラクターの濃いお姫様ですね。
「手紙も和歌もマジ笑える。末摘花ちゃんの和歌もウケたけど、近江ちゃんのはまたぶっ飛んでるね」
31文字の和歌に地名を3つも盛り込みました。ある意味スゴイかもしれません。
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26.4 近江の君への返歌
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