26.2 源氏の悩みと内大臣の憂鬱

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 何かにかこつけては玉鬘を訪ねる源氏なんだけど、六条院であか抜けて魅力的になってゆく玉鬘にますます惹かれちゃうの。でも紫の上以上に愛することはできないので、中途半端なこの恋心を断ち切るには、誰か玉鬘にふさわしい男と結婚させるのがいいんだろうなと考えるようになるの。蛍兵部卿宮か髭黒の右大将あたりが候補になるなって。

 玉鬘も最初に源氏から告白されて近寄られたころは怖かったんだけれど、それ以上のことはされなくて信頼できそうなので、源氏が抱き寄せたりすることに敢えて抵抗はしなくなったんですって。

 そんな玉鬘がとてもステキになってくるから、源氏ったら手元(六条院)で結婚させて婿を通わせて、自分のアイジンにもしようかな、なんてけしからんことまで考え始めるの。でもそれはそれで結婚する婿に対して猛烈に嫉妬することになるんだろうなぁ、と源氏の悩みも尽きないんですって。



 内大臣が引き取った姫君は近江の姫君って呼ぶことにしたんだけれど、あんまり評判がよくないのね。息子の弁の少将が源氏宅でツッコまれた話を聞くと、内大臣も開き直っちゃって

「ああ、田舎娘を引き取ったよ。普段他人ヒトのことをああだこうだ言わない源氏サマが、我が家のこととなると地獄耳で批判までしてくださるなんて光栄だねぇ」

 なんていじけてるの。


 源氏が探し出したというウワサの姫君はこれ以上ないくらいの評判の姫なのに、自分のところに来た姫君といったら……。それに娘の雲居の雁のことだって源氏が頭を下げてきたら夕霧との結婚を認めてやってもいいと思っているのに、源氏にも夕霧にもそんなそぶりは見られないのね。親子ともども頑固だなって逆ギレしてるみたい。いや、でも今の夕霧の冠位(身分)ではまだ低すぎてうちの婿としては見劣りがするか、とかなんとか考えながら悶々としていたみたいね。


 内大臣は気晴らしに娘の雲居の雁の部屋を突然訪ねるの。雲居の雁はお昼寝をしていたみたい。可憐な小柄の姫君で、夏の薄いころもから透ける肌もキレイで美しい所作で扇を持っているの。黒髪は多くもなく長くもないけれど、裾がとても美しいんですって。

 おとうさんの内大臣は結婚のことも考えているからあなたもきちんとしなさい、なんてお説教までするの。雲居の雁はおばあさまの大宮さまからお手紙をいただくこともあったんだけど、おとうさんに遠慮しておばあさまのところに遊びに行くこともできなかったんですって。


To be continued ✈✈✈



◇最新流行のファッションに身を包み、内面も成長してますます美しくなる玉鬘。源氏は「ムスメ以上恋人未満」のような振る舞いですね。玉鬘は源氏の愛人にはなりたくないので早くお父さんの内大臣に紹介してほしいと思っているでしょうね。


「婿を通わせて自分の愛人にしようかってコイツの思考どうなってんの?」

 こまちちゃん、コイツ呼ばわりはどうかと……。


 内大臣の長女は冷泉帝のお妃さま(新弘徽殿女御)ですが、中宮(皇后)にはなれませんでした。二女の雲居の雁は夕霧との結婚の話もすすまず、だからといって他の人と結婚させるわけにもいきません。そんなところに登場した3番目のお姫様。なかなか濃いキャラクターのお姫様のようです。

 久しぶりに登場した雲居の雁。夕霧とはときどき手紙をやりとりするだけで、おばあさまにも会いにも行けません。夕霧と雲居の雁のふたりの恋を応援してあげたいですね。


「このふたりは断然応援する!!」

「頑張ってるんだから内大臣も認めてあげればいいじゃんね」



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26.3 異色のお姫様?

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