【朝読】 1000文字源氏物語♬

episode30 結婚？ 仕事？ 藤袴

30.1 夕霧の鋭いツッコミ

🌟藤袴ざっくりあらすじ

　姉だと思っていた玉鬘は従姉だったと知った夕霧が玉鬘を口説こうとします。けれどもうまくいきません。結婚するのか仕事をするのか悩んだ末、玉鬘は宮仕えに上がることにします。

　玉鬘に恋していた人々が皆想いが叶わず失恋することになります。

【超訳】藤袴　玉鬘十帖

源氏　３７歳　紫の上　２９歳

玉鬘　２３歳　夕霧　１６歳

冷泉帝　１９歳　髭黒大将　３２歳

柏木　２１歳

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

　玉鬘は宮仕えをどうしようか迷っているの。華やかな女御さまたちのいる世界でやっていけるのかしら、源氏の養女の秋好中宮さまや内大臣の長女の新弘徽殿女御さまの恨みを買わないかしらって不安なのね。かといって、このまま源氏との危うい関係のまま六条院で暮らすのも悩めるところ。父の内大臣は源氏に気遣ってか、自宅には引き取ってはくれないし、ため息ばかりがこぼれる日々なのね。

　大宮さまが亡くなられたので、孫である夕霧は喪中の装いで玉鬘のところに来るの。これまで姉弟として接していたので、今までどおり几帳ごしで話をするのね。

　夕霧は冷泉帝からの宮仕えの伝言をしたあとで、藤袴の花を御簾の下から玉鬘に差し出すの。その花をとろうとした玉鬘の袖を夕霧は掴んだの。

～　おなじ野の　露にやつるる　藤袴　あはれはかけよ　かごとばかりも　～

（僕もあなたと同じでおばあさまの孫なんです。少しでもいいから親しくしてほしいんです）

　夕霧は和歌を詠んで玉鬘のことを口説こうとしたんだけれど、玉鬘は「気分が悪くなったので」と引きこもっちゃうの。

　こんなことになるんなら、告らなきゃよかったなって夕霧は後悔したんですって。

　夕霧は源氏のもとに戻って玉鬘をどうするつもりか聞いてみるの。源氏は蛍兵部卿宮に嫁ぐか宮仕えなんじゃない？　と答えるんだけど夕霧は納得してないの。

「お父さんにはたくさんの奥さまがいるから、今さら奥さんにするわけにもいかないので、宮仕えという体裁にしておいてお父さんの恋人にしておこうとしているんじゃないのかって内大臣さまもウワサしてるよ」

　内大臣のスゴイ妄想だねと源氏は笑ってごまかすけれど、やっぱバレてたかって源氏は内心焦っちゃったみたい。

To be continued ✈✈✈

🖌Genji Waka Collection

～　おなじ野の　露にやつるる　藤袴　あはれはかけよ　かごとばかりも　～

夕霧が玉鬘を口説こうと贈った歌

◇夕霧の告白は秒殺でした。お父さんならね、１回や２回断られても強行突破しそうですが、真面目な夕霧はここで引き下がります。（強行突破する源氏を褒めているわけではありません）

「だめだよ、夕霧くんは雲居の雁ちゃんがいるでしょうに」

　すぐに引き下がっていますし、そこまで本気ではなかったのかもしれません。

『結局玉鬘姉さんをどうしたいの？』

『宮中に就職させてアイジンにもするんじゃないの？』

　玉鬘にふられた腹いせなのか夕霧がお父さんに鋭くツッコみます。お父さんも

「げっ？！　バレてる？？」

　と焦ります。自分の恋には不器用な夕霧ですがお父さんの恋へのツッコミは上手です。

「あはは。夕霧くんナイスツッコミだよね。そうだそうだ――！　もっと言ってやれ――」

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30.2　玉鬘ファンの失恋