2.3 ヒトヅマに恋?

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 この女性が伊予の介の後妻の空蝉うつせみだったの。源氏はすぐに好きになっちゃうんだけど、相手が人妻だから堂々と付き合うわけにもいかない。けれども空蝉には会いたい。そこで空蝉の弟の小君こぎみに嘘までついて味方にしようとするの。


「ずっと前からお姉さんのことが好きだったんだ」

「そうだったんですか? 知りませんでした」

 そりゃそうよね。ずっと前からなんてウソであの夜初めて出会ったんだもんね。

「だからさ、俺に協力してくれる?」

「はい!」


 まだ子どもの小君こぎみを使ってなんとか空蝉と付き合おうとアプローチするんだけど、空蝉の態度はそっけないのね。


~ 帚木ははきぎの 心をしらで 園原そのはらの 道にあやなく 惑ひぬるかな ~

(いると思って近づくのに、見えなくなってしまうから、キミの心を奪えなくて困っているんだ)


 空蝉にしてみても、一時の勢いで過ちを犯してしまい、なかったことにしてしまおうと必死だったのね。人妻だしね。そうはいってもやっぱりイケメンで有名人の源氏の君が熱心に口説いてくるのに少しはときめいたんだけれど、そこは流されないように自制したの。


~ 見し夢を 逢ふ夜ありやと 歎く間に 目さえあはでぞ 頃も経にける ~

(夢が叶ったあの夜からまた逢いたいって想っていて、眠れない夜を何日も過ごしてるんだ)


 源氏は目も眩むほどの美しい手紙を小君に持たせてお姉さんのところに行かせるけれど

「こんなお手紙をいただく人はここにいませんって言っておいて」

 空蝉は小君にそう言うの。


 何度ラブレターを贈っても返事も来ないので、源氏はまた口実を見つけて空蝉の元へと行こうとするんだけれど、あいかわらず空蝉は頑として拒むからキューピット役の弟の小君も困っちゃったみたいね。




第二帖 帚木ははきぎ


※帚木 遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の樹。それになぞらえて、近づいても逢ってくれない人、逢えそうで逢えない人の喩えに使われた。


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

~ 帚木ははきぎの 心をしらで 園原そのはらの 道にあやなく 惑ひぬるかな ~

源氏宰相中将が空蝉を想って贈った歌


◇第二帖帚木でした。

episode2 男子会の恋バナ   帚木

2.1 雨夜の品定め

2.2 空蝉との一夜

2.3 ヒトヅマに恋?


 正室の葵の上とはうまくいっていなくて、憧れの人の藤壺女御とは禁断の関係で(いくら一夫多妻制でも、帝の妃との恋はNGです)悩んでいる源氏。新しい女性に恋したみたいだけれどこちらもすんなりとはうまくいきませんね。


「小さい子に嘘ついてまでヒトヅマさんと付き合おうとしているのはどうなのよ」

 こまちちゃんの言うことはもっともよね。



NEXT↓

episode3 つかみどころのないカノジョ   空蝉

3.1 もう一度逢いたい


☆こまちのおしゃべり

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アカウントは「こまち@1000文字源氏物語♬」だよ。



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