12.6 明石の娘と須磨の嵐

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 須磨では源氏が紫の上を迎えようかとも思ったんだけれど、あまりに都とかけ離れた生活だからそれもためらわれるのね。そうして冬を迎え、月や景色を愛でて月日は流れるの。


 源氏たちのいる須磨は明石の近くだったのね。

 紫の上と出会うきっかけになった北山で話した明石入道あかしのにゅうどうの娘のこと(episode5 5.1 ふたりの女の子 参照)を思い出した家来の良清が手紙を書いたんだけど、返事はなかったの。代わりに父親の明石入道から手紙が来るの。そこには娘を良清ではなくて源氏に嫁がせたいと書いてあったの。

 入道の妻は身分が違うと反対するんだけど、入道自身は本気で娘と源氏を結婚させようと思っていたの。


 そんな頃、都から来客があったの。宰相中将さいしょうのちゅうじょう(頭中将)だったの。源氏の話をするのも禁止されているような都だったのに、弘徽殿大后に怒られるのも覚悟で親友の源氏に会いに来てくれたの。その友情に源氏も感激してふたりでお酒を飲み、昔を懐かしんで涙を流したそうね。

「キミがいつまでも捨て置かれるようなことはないよ」

 頭中将はそう源氏を励まして帰っていったの。


 須磨に来てからも源氏は心労が多いのでお祓いをしようと浜辺で陰陽師を呼んでお祓いを始めたの。

 すると急に風が吹き荒れて、雲は曇り、豪雨になったの。あっという間に暴風雨になり周りのものを吹き飛ばしちゃったの。


 暴風雨から避難して屋敷で源氏は夢を見たの。何者かが

「なぜ宮のもとに来ないのか?」

 って源氏を呼んでいる夢だったんですって。源氏は海の中の龍王が自分を呼んでいるのかと不気味に感じていたらしいわね。


第十二帖 須磨


To be continued ✈✈✈


 ◇第十二帖須磨でした。舞台が京から須磨へと移りました。

episode12 とりあえず謹慎します。   須磨

12.1 都を離れる決心

12.2 紫の上との別れ

12.3 須磨へ

12.4 都に残された人たち

12.5 都の朧月夜、須磨の源氏

12.6 明石の娘と須磨の嵐


 物語が大きく動きます。宮中での源氏バッシングを受けて自分から謹慎を申し出て須磨へと移る巻ですね。政治的にはみんな右大臣の機嫌を伺っているから味方はいなくなった。それでも源氏が都からいなくなると寂しいと泣く人の多いこと、多いこと。

 付き合っていた恋人たちはもちろん同僚や家来、女房にも慕われてたみたいでみんな別れを惜しんだみたいですね。

 大勢と別れを惜しんで須磨へと旅立ちました。

 須磨へ移り住んでからも都の人たちとの文通が盛んですね。


「紫ちゃん、どうしてるかな。大丈夫かなぁ」

 源氏がいなくなった直後は起き上がれないほど落ち込んでいましたが、今はしっかりと源氏のいない二条院の留守を守っているみたいですよ。



NEXT↓

episode13 最高のカノジョと最愛の妻   明石

13.1 須磨から明石へ





 



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