34.2 女三宮の結婚
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
源氏もそのウワサは聞いていたのね。けれども朱雀院と大して年齢も変わらないから、朱雀院が亡くなられたあと自分だってそんなに長生きはできないだろうから女三宮を見守れないし、いまさら紫の上を本妻の立場から追いやりたくないの。(身分的には女三宮の方が紫の上より高いから、結婚となると女三宮が正室となってしまうから)
それなのに、女三宮があの憧れの女院さまと血の繋がりのある人(女院の姪)だからってちょっと気にしだすのよね。
そして年の暮れに女三宮の
結婚を承諾したものの、源氏は今までの紫の上との生活も変わってしまうからどうしようかと思い悩むの。
朱雀院が女三宮のことを心配していることは紫の上も知っていたんだけど、あんなに恋してた朝顔の君とも結婚しなかったので、今になって源氏がそんな話を受けるわけはないわって信じてたみたい。そんな紫の上の様子を見ていると源氏はなんとも心苦しいの。
紫の上に対する愛は少しも変わらないけれど、きっとその愛までも疑われるんだろうなと源氏は動揺するの。ふたりのあいだには何一つ隠し事がない夫婦だったからこの縁談の話をしないのも源氏は苦痛だったんだけど、とりあえずその夜は言わずに眠ったの。
次の日に源氏は紫の上にそのことを打ち明けるんだけど、紫の上の反応が淡々としているの。
「親御様としてはご心配ですものね。女三宮さまとは従姉妹同士ですから仲良くしていただけるかしら?」
「あまりに理解がありすぎて気味悪いね」
いつもならやきもちを焼いたりして自分の気持ちを正直に表す紫の上だったからその
けれども紫の上は内心ものすごく絶望したの。今はすっかり幸せに浸っていて安心しきっていたのに、これからどんな屈辱を味あわなければならないの? って落ち込むの。
それでも決まったことは覆せないし、自分のことを嫌っている実家の式部卿宮の正室なんかはきっと面白がるだろうけど、表面上だけは平静でいようと紫の上は心に決めるの。
To be continued ✈✈✈
◇「うわ――、結婚決めちゃったよ」
「紫ちゃんが絶望ってそうだよねぇ。なんて言ったらいいんだか……」
立派に育て上げた明石の姫君を東宮さまに入内させて、これからは夫婦ふたりで(といっても他の奥さんもいますが……)ゆっくり過ごしていこうなんて思っていたはずです。
「女三宮さんが藤壺の宮さまと血がつながってるから結婚決めちゃったの?」
まあそんな感じでしょうか……。
「紫ちゃんをこんなに傷つけてまで結婚したいの?」
そこなのですよね……。
「恋愛のエキスパートとか思ってたけれど、実はオンナごころわかってないんじゃないの?」
こまちちゃん、するどい。
NEXT ↓
34.3 源氏の後悔
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語も覗いてみてね。なんだか波乱の予感? の第二幕だよね。
topics24 タメイキの第二部開幕……
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885569220
今さら結婚ねぇ……。
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