20.3 源氏の恋バナ
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
朝顔の君のお屋敷から二条院に戻ってくるとやっぱり紫の上のご機嫌が悪いの。
「朝顔の君のことで拗ねているんだったら誤解だよ? 彼女とはそんな関係じゃないんだよ。手紙のやりとりだけでそれ以上は進まないんだよ。そういう関係じゃないからいちいちキミに言わなかったんだよ?」
そう言って1日かけて紫の上をなだめたの。紫の上の髪をなでているふたりの姿は絵に描きたいほどの美しさだったらしいわよ。
夕暮れになってもまだ源氏は紫の上のご機嫌を伺っているの。雪の積もった庭が美しいからと源氏は御簾を巻き上げさせるの。月の光が照らす庭を眺めながら源氏は紫の上に今までの女性の話をするの。女院のこと、朝顔の君のこと、朧月夜のこと、明石の君のこと、花散里のことなどをね。
「女院(藤壺の宮)はカンペキな貴婦人だね。キミは血がつながっている(叔母と姪の関係)からよく似ているよ。(キミは)ちょっと嫉妬深いけどね」
「朝顔の君は最高の文通相手なんだ」
「朧月夜は優美で綺麗だね。俺のせいで悪いことをしたと思ってる」
「明石の君は身分以上に貴婦人なんだ」
「花散里は若い頃からずっと一緒だけど、この先も離れ離れにはならないだろうね。心から愛しいと思えるね」
そんな話をしているうちに夜は更けていったの。
するとその夜源氏は女院の夢を見るの。女院さまが
「誰にも言わないって言ったのにどうしてしゃべってしまったの? (紫の上に話してしまって)お恨みするわよ」
っておっしゃるの。
目が覚めて夢だと気づいたあとも「(女院に)せっかく会えたのに」「夢の中でいいからもっと逢っていたかった」と源氏は涙を流すの。紫の上はいったいどんな夢を見ていたの? と不安になるのよ。紫の上に女院と自分の罪の関係までは話していないんだけど、女院は自分とおかした罪のせいで亡くなっても成仏できていないのかと源氏は悲しんで、お念仏を唱えたんですって。
第二十帖 朝顔
To be continued ✈✈✈
◇第二十帖朝顔でした。
episode20 男女の友情は成立する? 朝顔
20.1 朝顔の君はオトモダチ
20.2 朝顔の君の返事
20.3 源氏の恋バナ
源氏は今までの恋バナを紫の上に語ります。その夜、夢に女院が出てきたら「もっと逢っていたかった」と泣きます。紫の上は自分以外にも恋をしてしまう源氏にストレスを感じていますね。
「なんなの? 元カノの話でもキツイのに現在進行形の他の奥さんの話とかなんで話すの?」
雪景色を眺めながら藤壺の宮さまとの想い出を話して、そこからの流れでいろいろな女性の話になったみたいです。
「藤壺の宮さまと夢でもっと逢っていたかったからって泣くってさぁ……、いいオトナがヤバくない?」
「紫ちゃんもなんで泣いているのか気になるじゃん」
自分のところにいないときは他の奥さんのところに行っているのですからね。それに源氏には藤壺の宮さまや朧月夜さんなどの秘めた想いの人もいますからね。当時は珍しくないことかもしれませんが、紫の上がストレスを感じるのもわかりますよね。
NEXT↓
episode21 小さな恋の物語 乙女
21.1 夕霧の元服
☆こまちのおしゃべり
【別冊】源氏物語のご案内
朝顔の君トピックスだよ。よかったら見に来てね。
topics12 平安女子ってフクザツだ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054884307479
男女の友情のお話。うん。あると思うよ。いい関係だと思う。
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