28.2 夕霧の動揺
✈✈✈Let' go to SenmojiGenji
夜が明けて風はおさまったけれど、雨が強くなってくるの。
夕霧はおばあさまのお屋敷から六条院に戻って、まずは母親代わりの花散里のいる夏の御殿に行くの。大雨におびえている花散里に優しい言葉をかけてから、春の御殿にいる源氏のところに報告に行くの。源氏は秋好中宮を心配していて、夕霧に秋の御殿の様子を見に行かせるの。秋好中宮さまの返事をもらった夕霧はまた源氏のところへ戻ってきて状況を報告。
やっぱり直接中宮さまのところに伺おうと源氏は支度を始めるんだけど、夕霧がどこかうわの空の様子を見て、紫の上にこんなことを聞くの。
「もしかして夕霧に姿を見られたんじゃない?」
紫の上は「まさか」って答えるんだけど、源氏は怪しんでいるみたい。
源氏は夕霧を連れて秋好中宮さまのもとに台風お見舞いに行き、次に冬の御殿の明石の御方のところにも行くの。そこから夏の御殿の玉鬘のところへ。
源氏は御簾内に入って行っていつもどおり玉鬘と仲良く話し込んでいて、することのない夕霧はこっそり隙間からふたりを覗いてしまうの。源氏が玉鬘を抱き寄せているもんだから「こんな親子アリか?」って疑っちゃうの。
「マジかよ。いくらオンナ好きだからって、小さい頃から育てていないと、娘でもあんなことしちゃうわけ?」
夕霧は源氏と玉鬘が本当の親子だと思っているから嫌悪感をもってしまうのも当然なのよね。
でも動揺しながらも玉鬘の美しさにも驚くの。夕霧は玉鬘のことを母違いの姉弟だと思っているけれど、姉弟じゃなきゃこれは惚れちゃうよななんて思っちゃうのよ。昨日見た紫の上にはかなわないかもしれないけれど、美女であることにはかわらないよな、って思ったんですって。紫の上が桜のようなら、玉鬘は八重咲の山吹みたいだと例えたの。
To be continued ✈✈✈
◇夕霧は玉鬘は源氏の子だと思っています。今は夕霧と同じく花散里が母親代わりをしていて夏の御殿に住んでいます。(夕霧とは別棟)なので夕霧は玉鬘のことを異母姉だと思っています。本当は玉鬘は源氏の子ではないので夕霧とも姉弟ではないのですけれどね。
でも夕霧的には
「親子なのに父さんなんてことしてんだよ」
「いやでもマジ綺麗だよなぁ。僕だって姉さんじゃなきゃ……」
と混乱してしまっていますね。
「夕霧くん、紫ちゃんに続いて玉鬘ちゃんも見ちゃったんだ。台風でツイてたね」
大人の女性の姿なんて本当なら見られませんものね。
「でもその玉鬘ちゃんと源氏のイチャイチャも見ちゃった」
しかも相手が自分の姉(と夕霧は思っている)です。
「気持ち悪いよね。お父さんのイチャイチャなんて見たくない――」
そうですね。夕霧くん、紫の上の美しさを思い出しましょうか。
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28.3 夕霧の恋文
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