episode50 翻弄される舟       東屋

50.1 動き出す運命

🌟東屋あずまやざっくりあらすじ

 薫からアプローチされた姫(浮舟)ですが、彼女自身も彼女の母親もあまりの身分格差に薫の気持ちを本気にできません。事情があって浮舟は自宅に居づらくなり、中の君の好意で二条院に居候させてもらうことになります。そのときに匂宮が浮舟を見初めます。



【超訳】東屋あずまや  宇治十帖

 薫 26歳 匂宮 27歳

 中の君26歳 浮舟21歳

 夕霧 52歳



✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

 薫は宇治で見た姫君(浮舟)を引き取りたいって考えるんだけれど、身分格差もあったから公式に結婚しようとはしないで、弁の君経由でなんとなく気持ちを伝えるくらいしかアプローチしていなかったの。だから浮舟のお母さんの中将の君も薫の話を本気にしていなかったの。


 お母さんには現在の夫の常陸の守ひたちのかみとのあいだにも子供がいたのね。常陸の守は自分の子供ばかりを可愛がって妻の連れ子の浮舟のことは考えていないの。だから余計に私が浮舟を守らないとってお母さんは思っていたみたい。

 常陸の守は田舎っぽくて風流ごとにはウトいんだけど、派手好きで世渡りは上手いから財力はあったの。その財力目当てで婿になりたい貴族も多くて左近の少将という若者がやってきたの。


 お母さんは浮舟には立派な婿に来てほしいと思うけれど、夫が地方官僚だから高望みもできなくて左近の少将との縁談をOKすることにするの。

 結婚の日取りも決まって準備も進めていると、浮舟が常陸の守の実子でないと知った左近の少将が浮舟ではなくて常陸の守の実の娘と結婚したいって言い始めたの。


 常陸の守は浮舟のお父さんである皇族の八の宮よりも自分が選ばれたことが嬉しくてならないみたい。中将の君はこれでも妥協した縁談だったのにそれすら断られてとてもショックを受けてしまうの。

 浮舟の乳母も怒っているの。だからこうなったら手紙をくれる薫に嫁がせましょうって提案するんだけれど、お母さんはあまりの格差違いに決心がつかないのよね。


 左近の少将と常陸の守の娘の結婚の日が近づくと屋敷が準備でごった返すのね。少将が通ってくる部屋を用意しないといけないので、自然と浮舟の居場所がなくなってくるの。困った中将の君は二条院の中の君に浮舟を居候させてほしいとお願いするの。浮舟に同情した中の君は匂宮に相談せずに居候させてあげることにするの。



To be continued ✈✈✈





◇薫は「運命の姫」である大君の異母妹に付き合いたいと弁の君経由でアプローチしました。この姫君のことを浮舟と名付けています。今までもお話しているとおり原作では浮舟とは呼ばれていませんが、「大君の異母妹」や「運命の姫」では伝えにくいので「浮舟」と呼ぶことにします。なぜ浮舟という名前かは次巻「浮舟」でわかると思います。


「浮舟ちゃんね。おうちでは居場所がなくてちょっと可哀想な立ち位置なのかな」

 浮舟が中の君の二条院に行くことで彼女の運命の歯車が大きく回り始めます。


「なぎさちゃんの言い方に不安要素を感じるのはわたしだけ?」





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50.2 浮舟ママの驚愕

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