50.4 薫と宇治へ

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji

 突然の出来事にうろたえている浮舟を中の君が慰めてあげるの。見れば見るほどお姉さんの大君に似ているわって中の君は浮舟を見て思うの。薫ともお似合いだわ、ともね。


 浮舟の乳母はすぐに中将の君浮舟ママに報告をするの。浮舟を薫と結婚させようと思っているのに匂宮の愛人にされたくないし、なによりお世話になっている中の君に申し訳がたたない。驚いたお母さんは物忌みと言って浮舟を二条院から慌てて引き取るの。けれども自邸に連れて帰ってもこられないので三条あたりの小さな家に浮舟を移したの。

 浮舟は小さな家で心細く過ごさなくてはいけないこと、自分がお母さんに迷惑をかけていることでとても落ち込んでいるの。お母さんも浮舟のことが心配でたまらないのよね。でも浮舟がその仮住まいの家で思い出すのは優しかった中の君お姉さんとあの日の匂宮のことなのよね。あまりに突然の出来事だったから匂宮が何を話していたかまでは覚えていないみたいだけれどね。


 秋になって、宇治の御堂が完成して薫が訪れるの。以前八の宮の山荘のあったところに立派なお屋敷が建っているの。薫は弁の君に浮舟のことを聞くの。すると浮舟が二条院を離れていると聞いた薫は弁の君に浮舟の所まで案内するように言うの。

 

 日を改めて、弁の君は浮舟の家を訪ねたの。薫から言われてやってきたことを浮舟に話すと、遊びでなく真剣に自分のことを想っていてくれることに浮舟も驚いたみたいね。

 すると夜になって薫もやってくるの。そうしてふたりきりになれる場を弁の君が作ってあげたの。

「宇治であなたを見かけたときから恋しかったんだ。これは運命なんだよ」

 薫がそう告白するの。可憐な浮舟は薫の期待通りだったみたい。

 朝を迎えて、薫は決心をしたの。その日のうちに浮舟を連れ出して宇治のお屋敷に匿うことにしたみたいよ。宇治に向かう道中では、牛車が揺れるから薫が浮舟を抱きかかえてあげるの。ただ大君のことも思い出しちゃってるのよね。


 ~ 形見ぞと 見るにつけては 朝露の 所せきまで ぬるる袖かな ~

(あなたを彼女の形見だと思うと僕の袖は朝露と涙で濡れてしまうんだ)




第四十九帖   宿木


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

 ~ 形見ぞと 見るにつけては 朝露の 所せきまで ぬるる袖かな ~

宇治に連れていく浮舟を見ながら薫が大君を思い出して詠んだ歌




第四十九帖宿木やどりぎでした。

episode49 薫の想いと運命の女性   宿木

50.1 身分違い

50.2 浮舟ママの驚愕

50.3 匂宮との遭遇

50.4 薫と宇治へ



◇二条院にやってきた浮舟は初めて異母姉の中の君と出会い優しく接してもらいました。薫を紹介してもらいましたが、あまりの身分差に浮舟も浮舟ママも戸惑っているようです。そんな中で予期していなかった匂宮との出逢い。間違いがあってはタイヘンと浮舟ママは浮舟を二条院から連れ出しました。


 そして薫は浮舟と恋仲になり宇治に匿うことにします。


「なんかさぁ、次回予告のエピタイがすっごい気になるんだけど……」

 浮舟の名前の由来になる巻名タイトルのついた第五十一帖【浮舟】は波乱怒涛の展開です。


「また波乱怒涛なのぉ?」




NEXT↓

episode51 狂い始める恋情   浮舟 

51.1 忘れられない彼女 




☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

前回の京都編に続いて宇治編ロケ地マップだよ。


☆源氏の世界⑫ 『源氏物語』ツアー宇治編

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054887192132

わたしも行ってみたいなぁ。

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