37.3 源氏と夕霧の探り合い

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 翌日夕霧が六条院に行くと、明石女御が帰省していたの。女御の三男の匂宮においのみやは紫の上が育てているのね。匂宮は夕霧にまとわりついて、夕霧は3歳の匂宮をだっこして明石女御の寝殿へ向かうの。

 すると源氏と薫もそこにいて、夕霧は初めて薫の顔を見たの。笑顔が柏木に似ている気がするの。きっと源氏だって気づいているだろう。匂宮たちも気品があるけれど、薫はもっと美しいの。息子の死に落ち込んでいる前太政大臣に孫がいると知らせてあげたいけれど、それはできないしなぁ、など夕霧の心境もフクザツなの。薫は性格も優しい子で夕霧になついてくるから、夕霧も可愛らしく思うのよ。


 夕霧は源氏に昨日の女二宮との想夫恋の話をするの。そこで女二宮が琴を弾いたのは軽々しいふるまいなんじゃないの? 未亡人相手に間違いを起こすんじゃないよ、なんて源氏が説教をするから、だったら自分はどうなんだよと夕霧は思って柏木が夢に出てきた話をするのよ。


 するとその笛は薫が受け継ぐべきで、夕霧は何か感づいているなと源氏は察するの。

「その笛は亡くなった桃園式部卿宮が柏木に下賜したものだから縁続きのウチで預かっておくよ」

 なんてこじつけまがいのことを言って源氏は柏木の横笛を預かるの。それに夕霧が自分に横笛を持ってきたということは、何か感づいているのかと考えるのね。

 夕霧は今がチャンスだと源氏に追い打ちをかけるの。


「柏木が父さんに悪いことしたって、申し訳ないって言ってたけど心当たりある?」


 やっぱり夕霧は知ってるんだなって源氏は確信するの。でも詳しく話すことでもないので、


「どうだっけかな。思い出せないな」


 身に覚えがないなぁと源氏はその話をはぐらかしちゃったの。




第三十七帖 横笛


To be continued ✈✈✈


🖌Genji Waka Collection

~ 時しあれば 変はらぬ色に 匂ひけり 片枝かたえ折れたる 宿の桜も ~

夕霧が女二宮に贈った歌




◇第三十七帖【横笛】でした。

episode37 親友が遺した想い   横笛

37.1 薫の成長と柏木の遺言

37.2 夕霧と女二宮の夜

37.3 源氏と夕霧の探り合い



 夕霧は柏木の遺言を守るために女二宮のお見舞いを続けていますが、どうやら恋心を抱き始めたみたいですね。

 そしてもうひとつの柏木の遺言の「源氏へのとりなし」

 柏木が謝りたいことがあると言っていたことを夕霧は源氏に伝えましたが、はぐらかされてしまいました。


「源氏、焦っちゃってるじゃん。笑える」

 以前も夕霧が玉鬘と源氏の関係を探ったこともありましたね。


「源氏の恋愛講座もあったよね。この親子のやりとり面白いよね」

「源氏がこじつけた理由で柏木の横笛を預かったんだね」


 夕霧が源氏のところに横笛を持ってきたということは、口には出しませんが源氏と柏木との関係を察しているということです。源氏も夕霧は気づいているとわかったようです。

 柏木が夕霧に託した横笛はいつか薫に伝えられることでしょうね。



☆こまちのおしゃべり

【別冊】源氏物語のご案内

 源氏と夕霧くんの探り合い合戦。ぜひ読んでみてください。


topics30 親子で心理合戦!?

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054885901210

この父子面白いよね。でも夕霧くん、浮気はダメなんだからね!





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episode38 想いが交錯する秋の月夜   鈴虫

38.1 女三宮の憂鬱








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