7.4 少女の成長

✈✈✈Let' go to SenmojiGenji


 藤壺の宮さまへの辛い気持ちを癒そうと源氏は紫の君の所に行くの。紫の君は源氏が最近はあまり来てくれなかったから拗ねてるの。


「あんまり逢えなくてつまらないわ」

 なんて少し大人ぶった歌を詠むのね。そのおませっぷりが源氏には可愛らしくてたまらないみたいなの。

 お琴を教えてあげると、のみこみが早くて頭がいいの。何をさせても素晴らしいなぁと源氏も感心するの。


 夜になって紫の君の部屋を出ようとすると、紫の君はとっても寂しそうなの。そして源氏の膝で眠ってしまうの。源氏も可哀想になって

「もう、今日は出かける(奥さんのところに行く)の、やめるよ」

 と紫の君に言うと、紫の君は喜んで飛び起きたの。寝たフリしていたみたいね。



 帝にお仕えしている源典侍げんのないしのすけという女官がいたの。57~58歳のお局サマ。今でいうキャリアウーマンだからさすがに品も知性もあるんだけれど、恋愛方面もハデな方だったのね。 

 源氏もシャレのつもりで一晩遊んじゃうんだけど、「まぁ、これはないな」とテキトーに接していると、宮中で源典侍が源氏と付き合っているなんてあけっぴろげにいいふらすし、なんとお父さんの帝にまでからかわれちゃうのね。


 ここで源氏の永遠のライバル頭中将もそのウワサを聞いて、

「おいおい、マジかよ。そんなばぁさんと?」

 って思うんだけど、

「いや、熟女も実はいいんじゃね?」

 なんて思い直して、こちらも源典侍と会うようになるのよ。


 ある夜、源典侍のところに来ていた源氏なんだけど、他の男がやってきたことに気づくのよ。

「ちょ、典侍の恋人か? 鉢合わせ?」

 って焦ったのね。他にもつきあっている人がいる典侍だから、その恋人に怒られるって思ったみたい。でもその男が頭中将だって気づくの。

(コイツ、からかいにきたな)

 源氏も頭中将もわざと典侍を取り合うような芝居をして、乱闘するフリをして、最後は仲良く肩を組んで帰って行ったの。


 翌日の宮中では、源氏も頭中将も何事もなかったように仕事をしているんだけど、内心は笑いをこらえていたの。その後も頭中将はよくこのネタで源氏をからかったんですって。


 源氏は宰相さいしょうに昇進したの。そして帝ご自身は引退して東宮とうぐう弘徽殿こきでんの女御の子ども)を帝にして、若宮(藤壺の宮の子)を東宮(皇太子)にしようとするの。そこで藤壺の宮を中宮(皇后)にして、源氏を若宮の後見人として指名したの。源氏は宮さまが皇后さまになってしまい、ますます手が届かない人になってしまうと落ち込むの。

 若宮は成長するにつれてどんどん源氏に似てくるんだけど、誰もあの秘密には気づいてないみたいね。



第七帖 紅葉賀


To be continued ✈✈✈



◇第七帖紅葉賀が終わりました。

episode7 死ぬまでもっていく秘密   紅葉賀

7.1 愛の歌

7.2 想う女性、妹のような存在、冷めた妻

7.3 愛と罪の証

7.4 少女の成長


 源氏と藤壺の宮さまの子どもが産まれました。赤ちゃんが源氏にそっくりなので、藤壺の宮さまはバレてしまうのではと恐怖におののきます。優しい桐壺帝に対して壮絶な罪悪感を抱きながら宮中で過ごさないといけません。源氏は陰ながらこの皇子を守り支えていく決心をします。

 源氏のお母さん(桐壺の更衣)に似ているからという理由で妃になった藤壺の宮さま。もちろん本人が望んだことではありません。亡くなったお母さんによく似ているというお姉さんのような存在の藤壺の宮さま。源氏が心惹かれるのも自然なことでした。身代わりではなくありのままの自分を慕ってくれる年下の男の子に藤壺の宮さまの気持ちも傾いたのかもしれません。

 父である帝の妃との禁断の恋。公になれば帝への裏切り行為と非難される恋ですが、今で言う不倫や浮気とは違うかもしれません。


「う――ん。フクザツ。源氏くんが藤壺の宮さまを好きになるのはわかるな。藤壺の宮さまはどうだったんだろ? やっぱり源氏くんのこと好きだったの?」

 こまちちゃんはどう思う? 皆さんが源氏や藤壺の宮だったならどうしますか?


NEXT↓

episode8 似たもの同士のふたり?   花宴

8.1 朧月夜の出会い

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