第1話 好きな色
青とピンクが好き。深く、華やかな色。
夜明けの空を連想させる、清廉で神々しい色。
十代の頃は黒やグレーが好きだった。
若かったから。若さにまさる輝きはないから、他に頼る必要がなかった。
オレンジやイエローも好き。明るく、瑞々しい色。まぶしい光の色。
歳を経るごとに、鮮やかな色彩が日々の生活へ染み込んでくる。
一秒一秒と進む衰えを隠すのではなく、いつも明るい気持ちでいて、と誘ってくる。
目を閉じても、鮮やかな色彩はまぶたの裏に沈まない。
派手と思われてもいい。自分で選んだ色。かたち。ファッション。
あえていうなら、心の健全のための身繕い。
明るい服を着て、外へ出よう。
春が、爛漫にあふれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。