第202話 頭が煮える
全く思考できなくなる状態を「頭が沸く(煮える)」というが、全くもってうまい表現だと思う。
特に寒い季節はぴったりである。
足下は寒いのに暖房の熱で顔は熱く、何も思い浮かばず、まさに闇鍋のごとく混沌としてぐつぐつと煮えたぎっている。何が煮えているのかもわからない。
たまらなくなって、コートを着て外に出てみる。
階下に降りて冷たい風に晒されると、頭が冷えて冷静になる。スッキリする。
これはいいや……とちょっと嬉しくなるが、喜びもたったの数秒。
何故なら、頭はすっかり煮えてしまったあと。
中身は食べられたものじゃないし、むしろ熱で具材は全て蒸発している。何も残ってない状態。
気分転換に外に出ても何も変わらない。ただひたすらに寒い。
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