第164話 悩みなく生きている人などいないよ




「お気楽に生きてるよね」

「悩みなんてないでしょ」

 と言われるたびに、私は特に否定はせず、「そうね」と笑う。


 誰に何の思惑があるにせよないにせよ、この人たちに私の考えること、思うことはわからないだろうし、わかって欲しいとも思わない。だから笑っている。


 あなたたちに悩みや愚痴は言わない。

 だって、知られなくないもの。


 悩みなくお気楽に生きていると思ってくれればいい。

 そう振る舞うことで、私はあなたたちと明確に距離を置くことができる。

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