第135話 すぐに散るのに、それでも生まれた葉




 5月に枯れたと思っていたイロハカエデちゃん(2号)。

 イロハカエデの苗木は2株あるのだが、1号(イロハイチ)はなんとか復活し、30センチくらいまで伸びた。これは順調な成長らしい。

 しかし2号(イロハニー)は葉っぱも全て落ち、芽も出なかったのでもう駄目だと思っていた。


 ところが、今日見たら、何故か今頃になって新たな葉をつけているのではないか。

 2センチほどの、小さな小さな赤ちゃん葉が2つ、3つ出て、確かにもみじの形をしている。私はびっくりして、鉢の前にしゃがみこんだまましばらく動けなかった。


 まさか9月になって、枯れたと思っていた苗木から青葉が出てくるとは思わなかった。

 今出てきたところで、すぐに秋は深まって紅葉し、葉は全て落ちてしまうのに。

 この子は冬眠ならぬ夏眠していたのだろうか。


 お前、生きていたんだねぇ……としみじみ感動。

 葉が落ちたらまた寂しい風情だけど、春になったらもっと大きな鉢に植え替えしてあげよう。

 だから、頑張って冬を越えて欲しい。


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