第68話 憧れのブラックコーヒー




 お茶は好きで色々常備してるけど、コーヒーを自発的に飲むことはまずない。

 出されたらいただくが、大抵砂糖とミルクを入れる。

 カフェオレやコーヒー牛乳は好きなので、お子様舌なのだと思う。

 ブラックコーヒーは大人の味。これを楽しめる人には憧れる。


 コーヒーを飲まないくせに、コーヒーショップは好きである。

 特にスターバックスはよく利用しているのだが、目的は当然コーヒーではない。

 スタバの「都会的で洗練された空間でお茶なんかしているオシャレなアテクシ感」を味わいたいだけで、飲んでいるのは紅茶かココアかフラペチーノ。あとチーズケーキが美味しいのであればそれも。

 昔、メニューに羅列された横文字に動揺して何もわからないままエスプレッソを頼んだことがあるのだが、高いわりに一口二口分(30cc)の量しか出てこなくてがっかりしたことがある。

 しかも苦くて飲めなくて連れに笑われてしまった。変にかっこつけるものではないなあ……と反省した。知ったかぶっても、こういうのはすぐにボロが出る。


 ちなみにドトールでもお茶を飲み、タリーズへ行くとアイスを食べている。

 店員さんに「コイツ何しに来たんだ?」と思われてそうだけど、飲めなくても語れなくても大人な空間を味わいたいのだ。ささやかな憧れはどうか見逃して欲しい。



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