第175話 創作をしよう




「何のために生きているかわからない」

「毎日が単調でつまらない」

「無力感を感じる」

「このままではいけない気がするが、何をしていいかわからない」


 そういう悩みを持つ人に会った時、実際にそう言うかどうかはその人との関係によるが、私は内心でいつもこう思っている。


 創作をしよう、と。


 どんなに短くでもいい。文章を書こう。

 小説を書こう。詩を書こう。

 自信がないなら、日記をつけよう。

 その日あったことを書くだけでなく、自分が何を感じ、何を思ったかを形にしよう。


 絵を描こう。スケッチしよう。

 漫画を描こう。デザインをしよう。

 音楽をつくろう。演奏してみよう。踊ってみよう。歌ってみよう。

 動画をつくろう。映画を撮ってみよう。

 自分ではない何者かを演じてみよう。自らキャラクターを作り出し、それになりきって人に見てもらおう。

 造形をしよう。プラモデルを組み立ててみよう。家具を自作してみよう。

 雑巾を縫ってみよう。小物を作ってみよう。服を仕立ててみよう。


 それらができないというなら、簡単な料理をしてみよう。

 草木や花を育ててみよう。野菜を作ってみよう。

 やろうと思えば、なんだってできる。


 何か「目に見えるもの」「手にとれるもの」を作りだしてみよう。

 それは形であり、成果であり、あなたに充足感と多少の物足りなさと反省を与えてくれる。

 もっと上手くなりたければ、努力するしかないし、前に進めば進むほど、次々と目標が現れる。

 楽しいと思えれば勝ち組。合わないと思ったら、別の創作をすればいい。


「命をつくること」以外は、多少失敗したってどうということもない。

 せいぜい散るのはお金と瑣末なプライドくらい。

 誰にも言わなければ、恥をかくこともない。

 仲間が欲しければ、声を大にして募ってみればいい。


 だから、創作をしよう。



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