第176話 生きたことばの面白さ
覚えたことばはすぐ使ってみたくなる性分である。
自分でも子供じゃあるまいし……と思うのだが、やっぱり一度くらいは声に出して言ってみたい。
最近だと「同担拒否」なんかが面白くて、使う機会を探しているけれど、これがなかなか見つからない。
何故かというと、私が同担拒否するような事案や場面にまず遭遇しないから。
「拒否」という単語は、否定的な意味がとても強く、日常において使いにくいというのもある。
その「同担拒否」だが、先日ネットで、イベントの同行者募集の条件で「同担拒否はお断り」という文面を見つけた。
同担拒否はお断り……!
すごい。なんだろう。この力強い字面。
推しが同じ人を拒否する人をお断りするのか……?
拒否×拒否? すなわちOKってこと?
いやいや、勿論意味はわかる。「過激派はちょっと困るわ。私はまったりほのぼの路線でイベントを楽しみたいの」って話だよね。
けど、なんか背中がモゾモゾする。
この同行者募集に応募するとしたら、「私は、同担拒否はしませんので大丈夫です」とか言わなくてはいけないのだろうか? 面白すぎる穏健派アピールだ。死語になる前に、ちょっと使ってみたい。
生きていることば(そしてやがて消え去ってゆくことば)は、見ているだけでワクワクする。
中には「イケメン」みたいに定着するものもあるし、本当に日本語とは、それもスラング系は面白くて仕方ない。
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