第161話 ヤバいのヤバさ




 日常的に「マジ」「ヤバい」を使っていて思うのだが、ヤバいという言葉のマジなヤバさがヤバい。

 良い意味でも悪い意味でも色んな場所で使えてしまうので、正直「ヤバい」を連発していれば会話が割と成立してしまうのでヤバい。

 外国人が覚える日本語としては、「ヤバい」はマジで便利だと思うのでヤバい


 もっとヤバいのは、「ヤバい」も「マジ」も江戸時代からある言葉で、数百年前の言葉が現在でも死語にならず、さも「アタシ、最近生まれましたピチピチでーす」みたいな顔して、老若男女問わず幅を効かせているところ。ヤバい。

 むしろファンタジー。少し不思議? 

 ……ヤバいはSF? そんなジャパニーズ、いとヤバい。

 こうなると、一日一回は「ヤバい」と言わないとヤバい。


 でも、万能と思われた「ヤバい」も欠点がある。ヤバい。

 書いている分には何回「ヤバい」を連発しても大丈夫だけど、声に出すとちょっと痛い。

 いい年こいている人ほど、音声の「YABAI」は自重した方がいいかもしれない。

 だって、「この人、年食ってるくせに語彙力ないな。ヤバいBOTかよ」と思われるとヤバい。

 テレビを観ていても、アナウンサーは絶対「ヤバい」は使わないのでヤバい。

 ヤバいはとっても便利だけど軽々しいし、それほど上品な言葉ではないのでヤバい。

「ヤバい」の罠はどこにでも潜んでいるので、常日頃から気をつけないとヤバい。

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