第179話 春夏秋冬




 私の中では、四季はいたって単純である。


 春⇒特に意味のない眠気が私を襲う

 夏⇒暑くて死ぬ

 秋⇒食べて読んで観て肥える

 冬⇒寒くて死ぬ


 大体この通りだし、きっと日本で暮らす限りは、死ぬまでこの繰り返しなのだろう。

 でもこの四季があるおかげで、私は移りゆく日々に潜む、小さな発見に一喜一憂できる。

 我々の感性は、色彩と情緒にあふれた日本の四季が作ったのだと思う。


 なーんて突然しんみり思ったりするのも、秋深しの昨今ならではかもしれない。

 秋に見るもの聞くもの全てが自分の中で入念に消化されて、新たな創作の種になればいいのだけれど。

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