第294話 「孤独が何で珍しい」




 孤独を感じる時、高村光太郎の「孤独が何で珍しい」をそらんじる。

 孤独は、何も特別なことではない。すぐ傍にある。心の中に常にある。


 ***


 孤独の痛さに堪へ切つた人間同志の

 黙つてさし出す丈夫な手と手のつながりだ

 孤独のかなしきに堪へきれない泣き虫同志の

 がやがや集まる烏合の勢に縁はない

 孤独が何で珍しい

 寂しい信頼に千里をつなぐ人間ものの

 見通しのきいた眼と眼の力

 そこから来るのが尽きない何かの熱風だ


 ***


 あなたも私も、誰もが、誰であっても、結局人は一人だ。

 だけど、孤独を見つめ、孤独を知っていた方が、誰かと一緒にある時のありがたみがわかる。

 感謝の心を捨てなければ、孤独とも上手くつきあっていけるよ。

 一人だけど、一人ではないよ。

  

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