第272話 みんなちがって、みんないい。
もしかしたら常識なのかもしれないし、そうだとしたらお恥ずかしい限りなのだが「みんなちがって、みんないい。」というのは詩人・金子みすゞの詩の一節なのだと最近知った。
出所はわからないものの、何かの歌の歌詞なのだと勝手に勘違いしていた。
***
わたしと小鳥と鈴と
わたしが両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥はわたしのように、
わたしがからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴はわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。
鈴と、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。
***
「みんなちがって、みんないい。」には、子供の頃から随分と救われてきた。
人と同じように上手くできなくても、私は私なのだからと前向きになったり、いきがってみたり、意地を張って悲しくなったり、時には諦める言い訳にもなったり……。
おそらく元の詩もなんらかの機会に読んでいるはずなのだ。
しかし、成長するにつれ忘れてしまったのだろう。寂しいことである。
「みんなちがって、みんないい。」だけが、鍋の底のお焦げのように記憶にこびりついて離れなかったのだ。原本がわかってホッとした。
知って安心することばたち。
もう、忘れまい。(ボケない限りは)
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