第203話 みかんは頭からむくとすじが少なくて食べやすい
最近教えてもらい、目からウロコだったのはみかんの剥き方。
これまで私は、みかんをヘタのないお尻から剥くのが常だった。
何百個、何千個と食べてきたみかんの全てを、一つ残らずお尻から剥いてきた。
家族もそうしていたし、周囲の人々もそうしていたし、尻から剥くのが常識だと思っていた。
一度として、その逆を考えたことはなかった。
ところがである。
なんと、一見剥きにくいと思いがちな頭(ヘタがある方)から剥いた方が、剥く際に一緒にすじが取れて食べやすいのだという。
まさかと思い、「ヘタ邪魔だな」と思いつつも頭から剥いてみたところ……確かにきれいにすじが取れ、すぐに口にすることができた。
なんということだろう。
これまでの、みかんのすじを取る労力は一体なんだったのだろう。
頭から剥いてさえいれば、もっと早くにみかんを味わうことができた。
すじをとる時間を短縮できた。浮いた時間で何か別なことができたはずだった……!
これはもはや革命である。今日を勝手にみかん革命記念日とする。
私はもうみかんを尻から剥くことはない。頭から剥く、これが新常識である。
みかんの皮向きも合理化された今、何も怖いものはない。
剥く・即・食す。みかん、まっしぐら。
どこのどなたかは知らないが、初めてみかんを頭から剥いた人に心から拍手を送りたい。
勇気ある人である。初めてワカメを食べた人、フグを食べた人、こんにゃく芋を食べようと思った人に匹敵する快挙である。
快適なみかん生活のために、頭から剥いてくれてありがとう。
ちなみに、皮が剥かれたみかんも売ってはいるが、見た目が美しくない上にお値段も高いので、買う気はみかんのすじほどもない。
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