第243話 作家・ライターとしてバリバリやっていくためのコツ




 ライター・漫画原作者である某氏が、プロの作家向けに「作家・ライターとしてバリバリやっていくためのコツ」のアンケートを取った。

 それに、漫画原作者の林日出夫先生がこう答えていらっしゃった。

 読んで、なるほどな……と思った。

 ご本人の許可をいただいたので、掲載させていただく。



「作家・ライターとしてバリバリやっていくためのコツ」


 ・書きたいテーマや得意な分野があること。

 ・褒めてもらえるとか甘いことを考えないこと。

 ・編集者とコミュニケーションが取れること。

 ・不満を表情に出さずに何度でも書き直しや修正ができること。

 ・営業はヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たるを実践すること。

 ・何があっても取材の時間や締め切りが守れること。

 ・厚かましいほど人の好意に甘えられること。

 ・好かれる必要はないが嫌われないこと。

 ・365日24時間フットワークが軽いこと。

 ・あるていど自分への投資を惜しまないこと。


 この中で「締切を守る」「コミュニケーションが取れる」というのは物書きに限らず、社会人として当たり前のことなのでいいとして、私が特に感銘を受けたのは「好かれる必要はないが嫌われないこと」である。


 人の好みは十人十色。書くものが万人に好かれるというのは、もう土台無理な話である。無理。私だって無理。好きなジャンルや媒体や文体なら読むが、そうでなければ触れもしない。とはいっても、それは受け手側の話。


 作り手側からすれば、商業である以上は、制作も出版も作家一人でできることではない。

 結局は人対人なのだから、仕事をする上ではどうしても好き嫌いの感情が出てくる。

 才能があっても性格が難しい人よりは、きちんとコミュニケーションが取れ、真面目で誠実な人が選ばれるのは当然か。

 世間に認められるほどの強烈な個性だったり、あえて放埒な発言で炎上商法という手もあるだろうが、人に嫌われるような言動を繰り返しても結局損をするばかり。

 長く作家を続けるためには「特に好かれない、ただし嫌われもしない」という位置を保ち続けるのが、一番肝要なのかもしれない。


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