第193話 上品なことば遣いの人、そうではない人
先日、とある茶会へ行った。
お茶の時間まで待合で歓談していると、近くに和装した4.50代らしき男性が座った。
これまで何度かお見かけはしていたが、話したことはなかった。
彼は、友人らしき同年代の男性と、年配の着物を着た女性に挟まれていた。
なんとはなしに、彼らの会話が聞こえてきた。
どうやら和装の男性は、最近結婚をしたようである。新婚であることをしきりに冷やかされていた。
友人の男性が笑いながら、「こいつは50近くもなって、結婚できたんだから」と言った。
すると、すかさず着物の女性が、「『結婚できた』じゃなくて、『結婚された』でしょ。あなた失礼よ」とたしなめた。
しかし、男性は改めず「できた」「できた」と大声で繰り返していた。和装の男性は何も言わなかった。
私は、叶うなら年配の女性と親しくなりたいなと思った。
たったの二文字だが、使うことばによって初見の印象は驚くほど変わる。
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