第226話 馬鹿みたいだし、実際馬鹿なんだろう




 いつも書いている。

 何かしら書いている。

 悲しい時は泣きながら書いている。

 虚しくて仕方ない時も書いている。

 仲間の嘆きに溜息をつきながら書いている。

 不誠実な人の不誠実な対応に呆れながら書いている。

 どうにも鬱屈して心が沈んでも書いている。

 疲れて何も考えられない時も書いている。

 突然我に返って「私は何をやってるんだろう」と思いながら書いている。

 こんな行く当てのないものを書いてどうするんだろうと思いながら書いている。

 書くことがない時だって書いている。


 馬鹿みたいだし、実際馬鹿なんだろう。

 いつまでこのエネルギーがもつのだろうと自分に問いかけながら、何を書いても答えが出ないまま、やっぱり今日も書いている。


 いつか必ず訪れるであろう、筆を折る日。

 それだけがひたすらに怖い。


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