第2話フィリピン エルニドへ2

アンジェラとの営みは、とても事務的に終わった。

部屋に入ると彼女は自分からさっさとシャワーを浴び、「はい次はあなたね」と言いタオルを寄越した。


 機械的に腰を振り、己の白濁した液体の入った物を捨てる時には虚しさが込み上げてきた。


 彼女をホテルのエントランスまで送っての帰り、中庭から夜空を見上げた。

無数と言っても良いような満天の星空だ。

視界の端の方で明るい星が動いた。

流れ星?

確かに動いているが、かなりゆっくりだ。飛行機か人工衛星か・・・・

いや違う。かなりのスピードでこっちに向かってきている。

 それが分かったときには俺は光に包まれていた。あまりの明るさに瞳の絞りが間に合わない。

5秒?10秒?もしかしたらほんの一瞬だったのかもしれない。

徐々に照度が落ち、なにも無かったかの様に周りが見えてきた。


空を見上げるとさっきと変わらない満天の星空だ。流れ星も無い。

俺の身体にも変わった所は無いようだ。


明日はエルニドだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る