第41話 セブの夜

事件もなく、楽しく2泊目、3泊目が過ぎた。

娘達は、こんがりと日焼けして、健康的にセクシーだ。

今日は最終日だ。プールサイドでサンドイッチ等の昼食を済ませた。

午後からは、セブシティの市内観光に出かける。


快適なホテルタクシーのハイエース。

マクタン島からセブ島に渡る橋の渋滞は酷い。

マニラの渋滞など、可愛いものだ。

それでもエアコンの効いたゆったりとした車内は快適だ。

教会をいくつか廻り、マゼランの十字架を見て、サン・ペドロ要塞を歩く。

写真、写真の連続だ。

マゼランの十字架は大航海時代(16世紀)に冒険家のマゼランがセブに到着した時に打ち込まれた物だ。


運転手にお土産屋はどうするかと聞かれたが、娘達も興味が無いと思いやめた。


ホテルに戻り夕食まで休憩だ。

ベランダの椅子に座りビールを飲む。眼下には青い海が広がる。

空が赤くなり始めている。

綾香が部屋のミニバーから缶のパイナップルジュースとピーナッツを持ってくる。

横に座ってため息をつく。

「あーあ。もう終わりじゃん。明日帰るんだよね」

「十分楽しんだだろ」

「うん。みんなと一緒も楽しかったけど、次は2人でどこか行きたいな」


風が気持ちいい。


部屋のドアがノックされ綾香が開ける。

3人が、SMで買ったドレスを着て入って来る。頭には花をつけている。

綾香もドレスに着替える。


夕食はホテルのプライベートビーチでバーベキューだ。

ビーチには松明(たいまつ)が並べられ、テーブルクロスを掛けたテーブルに5人で席に着く。

ホテルスタッフが、ひとつずつ食材を説明しバーベキューグリルで焼く。

ロブスターはまだ生きていて、娘達は写真を撮って騒ぐ。

スタッフのサービスも最高だ。4人のスタッフが俺達に付きっきりで面倒を見る。

可愛い娘達の前でいい所を見せようと頑張る。


9時にバーベキューが終わった。スタッフ全員に500ペソのチップを渡す。

彼らの日給より多いチップに驚く。


夜のプールで全員で泳ぐ。

酔いざまし。


泳いだ後で、俺の部屋の風呂に、娘達が全員で入っている。

熱海の露天風呂を思い出す。

オジサーンと呼ぶ声。

俺は海パン一枚のまま、バスルームのドアに近づく。

いきなりドアが開き、全裸のゆうかとマキに手を引かれる。


全員はだか。8っつのオッパイ。

娘達に海パンを脱がされる。

慌てて浴槽に飛び込んだ。みんなが続く。

熱海の露天風呂ほど広いわけではない。

5人がイモ洗い状態で素っ裸でふざけあい笑う。

俺も、どさくさに紛れてみんなの胸を触りまくる。


明日は日本へ。

又、頑張って飛ばなくては。


今になって、イザベルの田舎がセブだったと思い出す。



翌日 昼12時 

ホテルをチェックアウトする。レストランやプールサイドバー、マッサージ、ルームサービス、2部屋分のミニバー等の支払いで約6万ペソだ。まだ約18万ペソある。


ボートを隠した草むらに行く。

幸いな事にボートはそのままの状態だった。

全員で簡単にボートを掃除する。そして娘達は持っている服を重ね着し、ボートの中に横になる。上着は離陸後に着ろと言った。買い物で膨らんだバックと飲み物を渡す。

LEDライトをボートの中に置き、カバーを掛ける。カバーを掛け終わる頃には汗だくだ。


帰りは高度5000メートルまで上昇してみる。気圧が地上の半分近くまで下がり、セブの地上で30度あった気温が0度になる。狭いボートの中で体を寄せ合っているので、気温の低下は心配無かったが、酸欠は心配だ。

但し、高度5000メートルまで上がると、3000メートルの時と比べるとスピードを出せる。3000メートルでは時速1000キロが限界だったが、5000メートルでは1300キロ近くまで出せる。マッハ1に到達できる。音速だ。音速に到達すると、静かになる。風の立てる騒音が付いてこられないのだ。

10分毎に1分間だけ、3000メートルまで降下することにした。娘達には騒音が大きくなったら深呼吸しろと伝える。


午後4時。東京上空に差し掛かる。高度3000メートルから1000メートルに下降し、俺のマンションの場所に近寄る。マンションを見つけ一気に部屋のベランダに降り立つ。

ボートの中の娘達には遊園地のアトラクションで落下するような感じだろう。


自分の飛行能力が向上しているのが分かった。帰りは3回しか休憩を取らずに日本に帰ってこられたのだ。気圧の低い高度を飛べたのだけが理由でない。

自分の力を使えば使うほどパワーアップする。







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