第15話 竹島襲撃
「憂国の志」から前金を受け取って3日が過ぎた。
ニュースには竹島の件は、まだ出てこない。
この3日間、竹島の位置や韓国軍の情報をネットで調べていた。
警察部隊という名目で対外向けには「島内の治安維持」の為に約40人が警備にあたっているらしい。装備は陸軍と同様で対空機関砲(高射砲)が装備されているようだ。
向かい側のソファに寝ころんでいた綾香が雑誌を開いて俺に見せる。
「どっちがセクシー?」
雑誌の両ページに下着姿の白人モデルが写っている。
両方とも黒の下着で、かなりきわどくセクシーだ。
銀座のアンにプレゼントしたいと思う。
「お前には豚に真珠だろ」
「ひっどい!ちょっと見てよ」
立ち上がってロングのTシャツを脱ぐ。パンティとブラだけになり後ろを向く。
「お尻だって外人に負けてないでしょ。オッパイだってEカップだよ」
前を向き、ブラごとオッパイを持ち上げる仕草だ。
見せるな・・・セクシーなのは分ってる。
俺の我慢が分からんのか、こいつは。
「まだまだだな。部分的に膨らめばいいってもんじゃない。雰囲気だよフンイキ」
「オジサンには私の魅力は分からないか・・・ショガナイナ」
分かりますよ。俺の股間はパンパンだ。今は立ち上がれない。
腹が減った。
綾香を連れて銀座6丁目にある中華「赤坂離宮 銀座店」に行く。
中央通りでタクシーを降りる。一筋裏の交詢ビルの5階だ。
飲茶コースを注文する。
綾香は「天然海老のマスタードマヨネーズ和え」が気に入ったようで、俺の分まで平らげた。
点心をいくつか追加注文して満腹になる。
14000円を支払って店を出た。
中央通りにに出て和光ビルに向かって歩く。腹ごなしだ。
綾香はユニクロビルの前で立ち止まり。買い物をしたいと言う。
面倒なので1万円札2枚を渡して、俺は近くの喫茶店に入る。
竹島近くへの移動を考え、スマホで調べる。
大阪からJALで隠岐の島へ渡るのがいいだろう。
大阪。伊丹空港までは車でもいいか。
1時間ほどで綾香がユニクロの大きな袋を2つ持って喫茶店に入ってくる。
喉が渇いたと言いながらチョコレートパフェを注文する。
ユニクロの話が止まらない。
買ってきた服を見せようとする綾香をとめた。
「明日から隠岐の島に行くぞ」
「どこそれ?」
「島根県」
「なんで・・・何があるの?」
「景色のいい所だ。ちょっと仕事もある」
「いいよ・・・」
運ばれてきたチョコレートパフェに集中している。
翌日朝6時半。
綾香を乗せた俺のメルセデスAMGーE63Sは快調に首都高速の用賀を過ぎて東名高速に向かっていた。
港北パーキングエリアで朝飯の予定だ。
「隠岐の島って車で行けるの?」
「バーカ。大阪から飛行機だ」
「エッ、聞いてない」
「言ってないからな。黙って着いてこい。おまえは俺の姪ってことにするからな」「・・・・了解、オジサン」
浜名湖のあたりでポルシェ911が挑んできたが相手にしない。
大事な仕事が控えている。
大阪・伊丹空港には11時半に着いた。
駐車場に車を停め、JALのカウンターでチェックインを済ます。
綾香のIDは中学生の時の学生証だ。
定刻通りのフライトで隠岐空港には午後2時に到着する。
空港ターミナルから出て、「隠岐プラザホテル・中本様」と書いてあるプラカードを持った人に声を掛ける。
海側の快適な部屋だ。窓からの眺めもいい。
綾香は混浴の風呂はないのかと言った・・・危ない。
竹島はここから隠岐の島の反対側の沖合いになるが距離的には片道130kmと見ておけば問題ないだろう。すでに連続で1000kmの飛行を成功させている。
一息ついて時計を見ると午後3時。
綾香が外に出たがる。
フロントの従業員に聞くと「白鳥海岸」の景色がいいという。
レンタカーを手配してもらい、白鳥海岸に向かう。
海岸に出るまでの道で綾香が歩けないと文句を言う。
足場が悪いのにハイヒールだ。仕方ないので背中に載せて海岸まで歩く。
ジオパークに認定されているだけあって雄大な景色だ。
竹島はここから北西約130kmに位置する。
明日の事を考えて身震いする。
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