第37話 メイド喫茶
娘達は連日で、朝からお台場周辺に遊びに行っている。
静かに過ごせるなら小遣いくらいやってもいいだろう。
4人に、昨日と同じで、1万円づつを渡していた。
昨晩、007の映画を見た。ジェームスボンドが腕に着けていた時計が欲しい。『オメガ・シーマスター』
カメラも欲しかったので、秋葉原の『ヨドバシカメラ』に向かった。地下に駐車場がある。
オメガ・シーマスターにも沢山のモデルが有って悩んだが『シーマスター600プラネットオーシャン』というモデルを選ぶ。
ベルトや時計本体がチタン製で600M防水。自動巻きなので電池切れの心配が無い。
税込みで54万円。ベルトの長さを合わせてもらい、その場で腕に装着する。
カメラ売り場に移動する。
『何をお探しですか』と聞く店員に『頑丈なカメラ』と言う。
勧められたのは、『オリンパス・タフTG-5』赤と黒が有ったが目立たない黒を選ぶ。15M防水で衝撃や低温、結露にも強い。
税込みで43000円
時計もカメラもキャッシュで払う。カードの記録が残るのを避けた。
以前はインターネットで、安い所を調べつくして通販で物を買っていた。
今は、買い物に来て、その場でキャッシュで払えるのが快感だ。
持ってきた100万円の束が薄くなる。
車を駐車場に置いたまま、中央通り方面に歩く。
久々の街中の散歩。外人観光客も多い。
メイドのコスプレ姿の女の子がビラを配っている。
メイドの割にやたらセクシーだ。
声を掛けられる。メイド喫茶。
そのまま付いて行く。中央通りから二筋西側の通り。
怪しげな雑居ビル。階段を3階まで上がる。
店内には同じようなセクシーなメイドが3人。
他に客はいない。
アイスコーヒーを注文する。
「ご主人様。ミルクはどうしますか?」
ミルクを入れてもらう。食べ物は要らないかとメニューを見せる。
ホットケーキがお薦めらしい。
少し、腹が減っていたが、あとで寿司を食べるつもりなので断る。
他のメイドがサービスだと言ってクッキーを持ってくる。
何故か俺の横に座る。化粧が濃いので二十歳過ぎに見えるが、多分10代。
「ご主人様。疲れて見えますね。肩を揉んで差し上げます」
俺の後ろに立ち、肩を揉み始める。初めてのメイド喫茶だが、こんな事をしてくれるのか。
メイドの手は肩から背中、腰に移り、ワキ腹から前にまわる。
下腹部から股間に伸びる。
えっ・・・・・こんな所までマッサージするのか。
他のメイドが入口のドアをロックし、インカムで何か話しているのを、俺は気づかなかった。
照明が少し暗くなる。他のメイドも俺に近寄る。
2人のメイドは俺の両腕。1人は首。1人は俺の股の間に入り、ズボンのベルトを外し、ジッパーを開ける。さすがに4人のメイドに囲まれていると恥ずかしい。
されるがままの15分間。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
メイドは『そのまま』と言ってオシボリを持ってきて俺のジュニアを拭う。
終わってしまうと途端に羞恥心。服を整える。
メイドの1人が伝票を持ってくる。『15万円』
伝票には確かに150000円と書いてある。
「これは無いでしょ」
伝票を持ってきたメイドに言う。
「安いですよ、ご主人様」
その言葉が合図なのか奥のドアが開き、男達が3人入ってくる。
『チンピラ』って言葉は今でも使うのだろうか。まさにチンピラ。
一番年嵩に見える男が俺の前に立つ。まだ二十歳そこそこ。
「ジジイ・・・気持ちよく楽しんだんだからね。金も気持ちよく払おうよ」
他の2人はニヤニヤしながら俺を見下ろしている。
冷静になれ・・・自分に言い聞かせる。
今は腹が減っている。
「分かった。払うからホットケーキ食わせてくれ」
「頭おかしいのか、このジジイ。食わせてやるけどホットケーキは1万円だ」
チンピラ3人に囲まれながら俺は1万円のホットケーキを食べる。
ミルクシェイクを追加した。これも1万円だ。
チンピラ3人は俺の周りに座り、ニヤケながら見ている。
食べ終わり、一息つく。
メイドが新たな伝票を持ってくる。『20万円』
「17万じゃないのか?」
「俺たちの接待料が3万円だよ。安いだろ」
おれの頬を軽く叩こうとする。
腕を取って引っ張る。後ろの壁に飛んで行き、激突し気を失う。
他の2人が一歩前に出てきたところに腹に軽くパンチ。崩れ落ちる。
唖然としているメイドにメニューを持ってくるように言う。
アイスコーヒー 1000円
ホットケーキ 1500円
テーブルに3000円を置いた。
「500円はサービス料だ。気持ち良かったよ」
4人のメイドは小刻みに震えるように頷いた。
ドアの鍵を開けて階段を下りる。
さあ、寿司を食いに行かなくては。
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