第21話 ゴブリン砦攻略会議

 偵察から拠点へ戻ってから、私とアニエラは魔力操作と発動イメージの練習を兼ねて、拠点の増設と家具作りを始める。


 アニエラは土魔法で新しい部屋の増設をしてもらって、私は伐採した木を材料にして机と椅子を作る事にしたの。この繰り返しが魔力総量と発動魔法の威力upに繋がるんだよね。

 アニエラも固い岩盤を削る為に試行錯誤を繰り返す事で、徐々に掘削効率が上がってる。私も〚風刃ウインド カッター〛をサイズや形状を変えて削る事で、魔力操作と連続発動速度が飛躍的に上達したの。


「ねぇハルカ、そろそろ夕食にしない?」


 夢中になり過ぎてた(笑)


「あっ…ごめんね。直ぐに用意するかね!」


 私は〚無限収納〛からオーク肉を出す。肉を串刺しにして火魔法で炙って出来上がり♪


 夕食が済むと次はアニエラの吸血タイムに、


「頂きます♪カプッ。」

「んっ…」


 相変わらず気持ちイイ…並列思考セレブロの魔力操作とは違う快感が身体中に走るんだよね…気の所為か何時もより長いような?


「あっ、アニー…今日はっ、ながっい…」

「はひ、ご馳走さまでした。」

「はぁっ、はぁ、たくさん吸ったの?」

「ううん、ゆっくり吸う方がね、何故か私の身体も熱くなるから…ペロ」

「そうなんだ?よく判らないけど、アニーにはゆっくりの方が良いなら問題無いよ。アニーの吸血も終わったし、ゴブリン砦攻略の話しを始めようか。」


 偵察で得た情報を下に、ゴブリン砦と将軍級ジェネラルをどう攻略するかの話し合いを開始したの。


 アニエラには並列思考セレブロの声は聞こえないので、同時通訳みたいに私が喋ってるので、会話は成り立ってるの。


『砦ははっきり言えば火魔法で簡単に燃やし尽くせるね。問題は大量に居るゴブリンだね。』

「私は真正面から攻める気は無いんだよね。殆どのゴブリンが寝てる夜更けにさ、火魔法で藁小屋ごと燃やし尽くしちゃえば数は減らせるし、残ったゴブリンも怪我をしてると思うから簡単に倒せない?」

「ハルカって無慈悲だよね(笑)でも、その戦い方が正解だと思うよ。」

将軍級ジェネラルの小屋には手を出したくないんだよ。出来れば僕達の実力で倒したいと思ってる。』

「うん、将軍級ジェネラルの小屋には何もしないって事で良いよ。」

「火を付けて将軍級ジェネラル以外を倒してから、殺っちゃう感じかな?」

『それが理想なんだけど、黙って無いだろうからハルカと僕が相手をしてる間、アニーに他のゴブリンを倒してもらう場合もあるよ。』

「OK!その時は早く倒して合流するね!」


 作戦は大方決まったので、話し合いは終わったの。後は偵察を繰り返して細部まで情報収集してから作戦決行するだけとなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る