第64話 国境到着
2日目、
昨日はボロボロだったエリカなんだけど、流石は
(胸は大きいの器は小さいんだから……)
飛行しながら鳥の魔物を見つけて回収してると、街道のようなものが見えてきたので、国境まで繋がるものなのかエリカに聞いてみる。
「エリカ、あの筋みたいなのは街道なの?」
「あぁ、そうだよ。この辺りから荷馬車での移動をするのが良いと思うけど、
『良い場所だと思うよ。ここから半日ほど進むと街道の合流地点があるから、そこからは交通量も増えるからね』
エリカと
「眷属を感知して転移する方が楽だから、エリカはここで待っててね」
「おう、判ったよ」
私はエリカを残してファミリアへ転移で戻る前にルカへ〚以心伝心〛で伝えておく。
『ルカ、荷馬車での移動を始めるから、屋敷の前へ戻るからよろしくね』
『判りました』
私が屋敷の前へ転移して戻ると、ルカは冒険者協会で着ていたタイトなスーツ姿で待っていた。ラフな格好も似合うけど、ルカはスーツ姿が1番似合うね。
「そんなに見られると恥ずかしいです……」
「ははっ、スーツ姿が懐かしくてね。じゃあ、転移するから荷馬車に馬を繋ごうか」
「はい」
荷馬車に馬を繋いで、ルカには馬車へ乗ってもらったところで転移しようとすると、アニエラとトラパーネが見送りにやってきた。
「ハルカいってらっしゃーい!美味しそうな物があったらいっぱい買ってきてね」
「OK!留守の間を頼んだよ〜」
「うん〜」
「お任せください。お帰りをお待ちしてます」
「じゃあね〜」
私は2人へ手を振りながら、エリカの元へと転移した。
エリカから少し離れた場所に、私と荷馬車が『パッ』と現れると流石に驚いたみたい。
「うぉっ!」
「ヘヘ、エリカお待たせ!」
「おっ、思ったより早かったじゃないか。直ぐにレアルコンプレト王国との国境へ向かうよ。あたいが御者をするからハルカはルカと一緒に馬車に乗ってな!」
「うん、ありがとう」
私が馬車に乗ると、国境を目指して馬車が動き始める。国境の近くと言っても馬車移動で3日は掛かるので、ずっと馬車の中に居るのは死ぬほど退屈だった……
『パカパカパカ……。』
軽快な音が止まると、ついに国境に着いたみたいで、御者に勤めていたエリカから声が掛かる。
「国境へ着いたよ。これから出入国審査を受ける為の列に並ぶからね。悪いけどルカはあたいと一緒に御者席に居てくれるかい?」
「判りました」
「私はこのままでいいの?」
「ハルカはファミリア商会の会長って事になってるから、そのまま馬車内で良いよ」
「OK!」
出入国審査が終わるまでの間は馬車の中で待つ事になった。
(早く審査が終わらないかな〜?)
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