第83話 リリアをスカウト

 部屋へ案内されて移動中にリリアを鑑定する。


【名前】リリア Lv5/100

【種族】半鳥人ハーフハーピー

【HP】35【MP】35【体力】35

【敏捷】70【精神】15

〚風魔法〛〚交渉術〛


『あっ、半鳥人ハーフハーピーって珍しい種族だけど、アネロみたいな訳ありなのかな?それもだけど〚交渉術〛を持ってるよ!』

『良いじゃないか、ハルカが望むなら来るかもしれないよ?』

『リップサービスだと思うけど、一応は雇いたいと伝えるね』

『『OK!』』

『かしこまりました』


 欲しいスキルを持っていたので、そのことをみんなに伝えた。さっきの言葉がリップサービスじゃなかったら、必ず雇い入れたいからプッシュしようと決めた。半鳥人ハーフハーピーのことは雇えたら聞くことにする。


 部屋に入って席に着くと、用意されたお茶に口をつけた後に、トラパーネが口を開いて商談が始まった。こういう場が初めてになるメドサンは、少し緊張してるけどしっかり学んで欲しい。


「今回、私達が求める人材をリストに記載したので、目を通してください」

「かしこまりました。拝見させていただきます」


 リリアがトラパーネからリストを受け取って、その内容を確認しようとする前に、私はリリアに声をかける。


「リストとは関係なく、リリアさんを雇いたいと思ったので、前向きに考えてくれると嬉しいな」

「えっ……、先程の言葉はリップサービスではなかったのですが?」


 私の言葉を聞いたリリアはかなり驚いた様子で、リップサービスだと認識していたみたい。私は本気なのでもう一度念を押す。


「本気だよ。私は鑑定ができるから、リリアさんのスキルを確認しちゃったの。〚交渉術〛は欲しいスキルだったから、是非とも来て欲しいの」


 リリアは少し目を閉じると、『ウン』と頷くと目を開けて返事をした。


「今回の商談を全うしてからで良ければ、喜んでお仕えさせていただきます」

「ありがとう、リリアさんを迎えることができて嬉しいよ」

「私の方こそ、グローニャで話題になってる、ファミリア商会で働けることを光栄に思います。リストは確認しましたが、鍛冶職だけは少し厳しいかも知れません」

「女性の下では働けないってこと?」


 パインが言ってた懸念なのかと思い、そのことを確認すると申し訳なさそうに頷いた。


「私には理解できないのですが、鍛冶は男尊女卑が抜けきらない閉鎖的な世界なので……」

「仕方ないね。鍛冶職以外の人材を頼むね」

「かしこまりました。3日後にお越しいただければ、ご希望の人材を紹介致します」

「では、3日後にまた来るね」


 鍛冶職以外は3日後に見つかる目処がたったので、リクルト商会を後にして、スラム街に移動して掘り出し物の人材を探すことにしたの。


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