第8話 中層の魔物

 低層から中層へと進みながら、私達は周囲を警戒しながら話しをしてたの。


『私がさ、ガイル変化すると全裸じゃないのはなんでかな?』

『あっ、確かに服を着てるね。直接触れた場合は、その時の状態を再現出来るのかな?人型になる時に服を着てるねイメージをすれば、全裸じゃなくなるかも?』

『うん、試してみるしかないね!』


 そう言って私は人型で服を着てるイメージで変化してみたの…


「きゃっ…駄目だ…変化っ…。」

『う〜ん、ハルカが転生した時に全裸だったから、遥の姿になると全裸なのかも…』

『うん、この世界に存在するもの以外は、イメージしても再現出来ないって事もある?』

『どっちの可能性もあるね。』


 理由は判らないけど、遥の姿になると全裸確定なので、服を手に入れるまでは封印だね。

 暫く進むと並列思考セレブロが気配を感じたの。


『ハルカ、正面に魔物だ。オークでもオーガでも無い。上位種かも知れないから注意してね。』

『うん、潜空鳥ダイバードになるね。』


 私は変化して、上空から正体不明の魔物へ近付いていく…『居た!』2つ頭の狼っぽい魔物がオークの死骸を貪っていたの。


『[オルトロス]Bランクだね。双頭の魔犬でとても好戦的なんだ。今は食事に夢中で隙だらけたから、魔法で殺ってしまおう!』

『OK!〚風刃ウインドカッター〛!』


 オークに貪るオルトロスの首元へ、風の刃が当たる『ザシュッ!』衝撃音と共にオルトロスの2つの首が地面に落ちたの。

 無防備な相手なら、Bランクの魔物でも簡単に殺せる事が判ったの。

 そして奪える能力があったみたいだね!


[オルトロス]〚咆哮〛〚敏捷+20〛


 私は〚敏捷+20〛を選択したの。


『ハルカ、〚敏捷+20〛を強奪したよ。』

『戦闘スタイルを考えるとステータスだよね?』

『そうだね。選択肢が無い時に奪えば良いと思うよ。』


 その後はオルトロスを吸収して、中層を進みながら拠点になりそうな場所と魔物をさがしたの。

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